「彼は大谷なんだ」マ軍の“150億エース”が脱帽…6四死球3失点の乱調も「打者大谷」が同点17号2ランを含む今季4度目の“サイクル未遂”で救う
エンゼルスの大谷翔平(28)は9日(日本時間10日)、本拠地で行われたマリナーズ戦に「2番・投手兼DH」で出場、投手としては、5回97球を投げ、初回の2ランを含む3安打だけだったが、6四死球と荒れ3失点して勝敗は付かなかった。 一方打者としては3回に同点17号2ランを放つなど、サイクル安打に、残り三塁打だけの王手をかける活躍を見せて5-4勝利に貢献。チームは5連勝した。2ランを浴びた防御率2点台のマリナーズのエース、ルイス・カスティーヨ(30)は「彼は大谷なんだ」との言葉で脱帽した。
「エリート打者としての技術を見せつける」
中6日でマウンドに上がった「投手大谷」の出来は最悪に近かった。
「あまり調子自体が良くなかった。体がしっくり動かなかった」
試合後に大谷が語る通り、初回の先頭打者をいきなり歩かせ二死を取ったが、ジャレッド・ケレニックに低めに投じたスイーパーをライトスタンドにまで運ばれた。
地元紙のオレンジカウンティ・レジスター紙によると、フィル・ネビン監督は、「スイーパーについてだが、事実として彼は誰も打てないところにどれだけ多く投げただろうか。彼はホームプレートの真ん中に1球投げてしまった。同じところに続けて投げると、ケレニックのような優れたメジャーリーグの打者であれば、そうした球を打ってくるだろう」と珍しく大谷の制球ミスを指摘したという。
さらに2つの四球を与えたが、ユジニオ・スアレスのインサイドに155キロのフォーシームを投げ込み三振に打ち取った。調子が悪くとも、大崩れしないのが、大谷の凄さ。大谷は、5回にも2四死球から1点を失い、同点に追いつかれて、勝利投手権利を失ったが、負けもしなかった。
その「投手大谷」を救ったのが「打者大谷」だ。
2点を追う3回2死一塁で同点の17号2ラン。1回に三塁内野安打、5回にレフトへの二塁打、今季4度目となるサイクル安打に王手をかけたが、一番難しいとされる三塁打が残り、期待された7回の第4打席は一ゴロに終わり、ベンチに戻ると珍しくヘルメットを叩きつけた。「投手大谷」に勝ち負けはつかなかったが、チームは5-4で勝利。5連勝でア・リーグ西地区2位のアストロズに1.5差に迫った。
MLB公式サイトは、「大谷が先発するもサイクル安打まであと1本及ばず。今年3度目」との見出しを取って、この日の大谷の“サイクル未遂”を報じた。
「大谷を他の選手と切り離す要素はたくさんあるが、最も顕著なものは自身が引き起こした問題を打席で救うことができるただ一人の投手であることだ。メジャーリーグで唯一の二刀流選手が金曜日夜のマリナーズ戦で自分自身を再び救った。彼はマウンドで最高のものを出せず、5回で3点を許して勝敗がつかなったが、2ランと二塁打を含めた4打数3安打でエリート打者としての技術を見せつけた」と伝えた。
同サイトによると、大谷が先発登板した試合で3安打以上を放つのは今季4度目で、米野球殿堂入りしているウォーレン・スパーンが1958年にミルウォーキー・ブルワーズ時代に5度達成して以来の記録だという。