「彼は大谷なんだ」マ軍の“150億エース”が脱帽…6四死球3失点の乱調も「打者大谷」が同点17号2ランを含む今季4度目の“サイクル未遂”で救う
エンゼルスのネビン監督は、「彼は素晴らしかったと思う。彼の2ランで試合を我々に引き戻した。だからとても素晴らしい夜となった。彼の投球数が積み上がり(97球)、5回までしか投げられなかった理由となったが、彼は、我々に勝つチャンスをもたらした。それこそが我々が彼に求めるすべてのことだ」とコメントした。
また大谷が、サイクル安打に王手をかけたのは、早くも今季4度目だが、同サイトは先発登板での王手が3度目で、過去に先発登板してサイクル安打を放った選手が一人もいないことを付け加えていた。
一方、敗れたマリナーズの地元メディアであるシアトルタイムズ紙は、「マリナーズは『投手大谷』との対戦ではうまくいったが『打者大谷』には苦戦」との見出しを取り、「大谷は、投手としては不安定だったが、打者としては衝撃的だった」と、この日の大谷との対戦について報じた。
同紙は「大谷の3回に出た440フィート(約134メートル)の本塁打、ヒット、二塁打に地元ファンたちは熱狂してスタジアムから帰ったが、一方でマリナーズは5イニングを投げた大谷のらしくない乱調ぶりを優位に生かせず失望を残した」と紹介。
「大谷は1回の3四球を含めて、シーズン最多に並ぶ5四球を出して1死球も与えた。だが、1回のケレニックの2ランと5回のタイ・フランスのタイムリーを除いてマリナーズは(大谷の乱調を)生かすことができなかった」と、乱調の大谷をKOできなかったことを指摘した上で、マリナーズのスコット・サービス監督のコメントを紹介した。
「大谷に球数を投げさせることに関しては、とても良くできていたと思う。攻めかかる準備もできて、序盤で捉えられると思ったが、必要とされていたビッグイニングを作ることができなかった」
大谷は1回だけで31球を要したが、マリナーズ打線は攻略できなかった。
一方で3回の大谷の同点2ランの場面を先発したカスティーヨの心理も含めてこう描写した。
「カスティーヨは大谷と勝負する前にピッチクロック違反で自動的にボールワンを課せられた。彼はまず大谷に対して84.3マイル(約136キロ)のチェンジアップから、こっそりと静かに入ろうとした。だが、大谷は欺かれず、鋭いスイングで捉え、高く、遠く、深く打球を運んだ。カスティーヨが肩を落とすのとほぼ同時に観客が大歓声で迎え、ただその声が大きくなる中で、打球は南カリフォルニアの夜空を飛んでいった。同点2ランはフェンスを遥かに超えて440フィート(約134メートル)先にようやく着弾した」
カスティーヨは、昨年マリナーズと5年1億800万ドル(約150億円)の大型契約を結んでいる右腕エース。
同紙は、そのカスティーヨのコメントも紹介しており、ドミニカ共和国出身のエースは、肩をすくめ、ただ「彼は大谷なんだ」と通訳を通じて、一言、つぶやいたという。