なぜセパ交流戦は史上稀に見る大混戦となっているのか…球界大御所が推す優勝候補の2チームとは?
広岡氏は「セ、パの両チームが集中力を高め意地を見せあうはずの交流戦が、まるでオープン戦の延長のように見える。頻発するミスもあるが、どのチームも手探りの部分が多いからだ。本来なら抜け出してもおかしくないセの首位阪神が抑えを確立できずに勝ちゲームを落とし、パの首位ロッテもスタートで躓いた。混戦理由はそこにもある」と分析した。
また「セパの格差もなくなっている。パの投手はいいが、以前のように絶対的な違いはなく、バッターにしてもパワーで圧倒するチームがない」と付け加えた。
現在セが36勝でパが33勝(1分け)と2年連続でセが勝ち越している。“セパ格差”がなくなっていることも混戦の理由のひとつといえるかもしれない。
チーム防御率のトップ2は、日ハム(2.25)、西武(2.72)とパのチームだが、ワースト3もソフトバンク(3.70)、ロッテ(3.96)、楽天(4.19)とパの3球団。個人成績を見ても交流戦の防御率1位が、WBC戦士の佐々木に投げ勝った阪神・才木(0.00)で、2位にオリックス山本(0.56)がいるが、3位に巨人の山崎伊(0.60)、4位に広島の九里(0.64)が食い込み、7位に中日の涌井(1.20)、9位にヤクルトのサイスニード(1.38)、10位にヤクルトの石川(1.42)とセの投手がトップ10のうち6人。
また交流戦のチーム打率も、トップは楽天(.267)、2位巨人(.266)、3位ソフトバンク(.259)となっているが、4位の横浜DeNA(.251)、5位の中日(.250)、6位のヤクルト(.247)と上位をセのチームが占め、個人成績でも、打率は横浜DeNAの牧が.413で交流戦首位打者、本塁打も巨人の岡本が8本でトップに立っている。
では混戦を制するのはどのチームになるのか。
まず優勝ラインを考えてみたい。
交流戦が18試合制になったのが2015年からだ。2020年は新型コロナの影響で中止となったため、ここ8年で7度の優勝チームの勝利数で最大が、昨年のヤクルトの14勝で、最小が2019年のソフトバンクの11勝。ちなみに12勝での優勝が7回中4回で最も多い。
今年の展開はソフトバンク、オリックス、巨人の3チームが11勝で並び、引き分け数の差による勝率でソフトバンクが優勝した2019年に似ている。優勝ラインは11勝と考えていいのかもしれない。