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右ウイングで出場した久保建英がエルサルバドル戦で1ゴール2アシストの活躍を見せた(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
右ウイングで出場した久保建英がエルサルバドル戦で1ゴール2アシストの活躍を見せた(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

「自分の出たいポジションで最初から出たらやれる」なぜ久保建英が1ゴール2アシストと森保Jで“覚醒”し始めたのか?

 ピッチから伝わってきたのは躍動感だけではなかった。自信に満ちあふれ、22歳にして貫禄すら漂わせる一挙手一投足。右ウイングを主戦場にしながら、正確なテクニックと視野の広さを生かして攻撃のタクトを振るう。久保が別格の存在感を放ち続けた。
 始まったばかりの試合を動かしたのは久保の左足だった。
 左サイドで三笘薫(26、ブライトン)が仕掛けて、開始わずか10秒で獲得した直接FK。ともにボールの後方に立ったMF旗手怜央(25、セルティック)へ久保が直訴した。
「ここは僕に蹴らせてもらえますか」
 快諾してくれた旗手とのやり取りを、久保は笑顔で明かしている。
「どちらが蹴るかという話のときに、僕は今シーズン、すごくいいフィーリングでセットプレーのキックを蹴れていたので。旗手選手も『角度的にもここはファー狙いじゃないか』と言ってくれて、それでいいボールを上げられた、という感じですね」
 久保の利き足の左足から放たれた低く、鋭いボールは相手ゴールから遠ざかる軌道を描きながら、狙いを定めていたファーサイドへ飛んでいく。次の瞬間、完璧なタイミングで宙を舞った谷口の頭とピンポイントでヒットし、ゴールネットを揺らした。
 もっとも、先制点をアシストした直接FKは序章にすぎなかった。
 リードを2点に広げて迎えた25分。今度は久保が約1年ぶりとなる代表2ゴール目を決めた。きっかけとなったのも、久保の“ひらめき”だった。
 右サイドでボールを持った久保が、左サイドの高い位置にポジションを取っていた三笘へ、正確無比なサイドチェンジのパスを通した。軽やかにトラップした三笘が仕掛ける体勢に入ったときに、久保はゴール中央へスルスルと侵入してきた。
「基本的に三笘選手は単独で勝負できますけど、あそこまで高い位置だと縦へ行くよりも中の方へ切り返すのかなと思って。そこで僕がいい位置にいたら、もしかしたらリターンをくれるかなと。軽い気持ちでしたけど、理想通りのボールを出してくれた感じです」

 

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