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痛恨のミスが重なり交流戦Vを逃した巨人の原監督は手ごたえを口にしたが…(資料写真・黒田史夫)
痛恨のミスが重なり交流戦Vを逃した巨人の原監督は手ごたえを口にしたが…(資料写真・黒田史夫)

「ミスが目立つようじゃ勝てん」なぜ巨人は交流戦で優勝できなかったのか…悪送球に気付かず一塁を走り抜けた大城の痛恨ミス

 巨人が18日、東京ドームで行われた楽天との交流戦の最終戦に1-2で敗れて優勝を逃した。今日19日に横浜DeNAが日ハムに敗れれば、11勝7敗で、横浜DeNA、巨人、ソフトバンク、オリックスが並び、2試合を残す楽天にもまだチャンスがあるが、TQB【(得点/攻撃イニング)-(失点/守備イニング)】で巨人はソフトバンクを下回るため優勝は消滅した。ミスが足を引っ張っての敗戦。巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた広岡達朗氏は、「だいぶ形になってきたが、つなぐ野球が下手で、ミスが目立つようではまだまだ優勝争いはできない」と厳しく論じた。

 ベンチで原監督が悔しがる

 せっかくの優勝機会を逃した。
 1―2で迎えた9回。先頭の大城は、楽天の“守護神”松井裕に対してフルカウントまで粘り、9球目の153キロのストレートを強く叩きつけた。打球は大きくバウンドしてセンター方向へ。セカンドの小深田が、逆シングルで止めて一塁へジャンピングスローしたが、ワンバウンドとなった送球を一塁の鈴木大地が弾き、ボールは転々とファウルグラウンドへ転がった。
 だが、大城は、その打球の行方を見ていなかった。一塁を走り抜けた後も、送球がそれたとも知らず、数十メートル先まで走ってしまっていた。鈴木コーチの声も聞こえなかったのだろう。もし、一塁到達後、すぐに二塁を狙っていれば、余裕でセーフだった。
 ベンチでは原監督が「何してんだ!」とばかりに手を叩いて悔しがった。記録に残らないボーンヘッドだ。
 内野ゴロを放った際には、送球ミスが起きる可能性があるため、一塁を走り抜けた後に、できるだけ早く止まり二塁を狙う態勢を整えるのがセオリー。また一塁コーチャーも大きな声で送球ミスを知らせる必要がある。
 それでも原監督は、代走を出して、吉川がバントで得点圏に送ったが、代打のオコエはショートゴロ。野球に“たられば”は禁物だが、もし大城が、二塁に到達していれば、吉川のバントで三塁に進み、オコエの内野ゴロで同点に追いついていた。結果、坂本が申告敬遠され、梶谷が三振でゲームセット。たとえ勝っても、今日19日の横浜DeNA対日ハムの結果待ちではあったが、9年ぶりの交流戦Vを逃すことになった。
 ミスはまだあった。
 復帰2度目の登板となる菅野は、3回に炭谷の打球を右足甲に受けるアクシデントがありながらも5回までわずか2安打無失点に抑える力投を続けていた。
 だが、6回一死から代打渡辺の一塁正面のゴロを中田が後ろへ弾いた。そして続く辰巳にライトスタンドへの逆転2ランを許してしまう。中田のエラーが痛恨だった。
 さらに、その裏、大城、吉川の連打で無死一、二塁の反撃機をつかんだが、今度は、菅野がバント失敗。チャージをかけてきた一塁の鈴木の正面へのバントとなり、三塁で封殺された。1点を争うゲームではミスした方が敗れる。
 巨人OBの“球界大御所”の広岡氏は一刀両断だ。
「勝敗に直結するような大事なところでミスが出るのは、基本ができていない証拠。ミスから傷口が広がった。コーチは何を教えているのか。またバントで送るところで送れないなど、つなぎの野球が下手。ホームランの野球は、ファンにとっては面白いのだろうが、計算が立たず、勝負どころでは勝てない。そこを解消していかなければ勝てん。まだまだ優勝争いはできないだろう」

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