「最後まで戦えたことが財産に。チーム力がついた」横浜DeNA三浦監督が日ハムに延長で敗れ交流戦初Vが持ち越しになっても手ごたえを感じた理由とは?
プレッシャーがかかっていたのは横浜DeNAだった。新庄監督が率いる日ハムの怖いもの知らずの伸び伸び野球が、なおのこと難敵だった。
昨年は独走したヤクルトと最大17.5ーム差があったが、6月28日の阪神戦から8月21日の広島戦まで驚異的ともいえるホーム17連勝の快進撃を見せて、4ゲーム差に迫り、8月26日からヤクルトとの勝負の3連戦を迎えた。だが、結果は、3連敗。プレッシャーのかかかった直接対決はすべて完敗だった。三浦監督は、そのヤクルトとの差を「経験の差」だと分析した。
「あの3連敗をどう踏まえて今年を戦うのか。成長はできたが足らなかった部分がある。その足らなかった部分を埋めるには、全員が考えて主体性を持つこと」
ペナントレースの優勝争いの予行練習ともいえる交流戦の大一番で敗れはしたものの粘り強く戦った試合内容は紙一重の接戦だった。プレッシャーに打ち勝つ姿は見せた。V条件である1点差負けを守ったことも、昨年の悔しい「経験」を経て、積み上げてきたものの成果なのかもしれない。
11勝7敗でフィニッシュした交流戦を三浦監督は、こう総括した。
「全員で優勝を意識した中で最後まで戦えたことはチームの財産になる。レギュラーシーズンに戻ってもチーム力がついている」
確かな手ごたえがある。
交流戦のチーム得点80は、ソフトバンクの86に次いで2位、チーム打率.258は4位で、4番の牧が交流戦の打率.380でランキング3位、5番の宮崎が打率.345で9位、打点15がソフトバンクの近藤と共に2位につけるなど主軸が安定して好調を維持してきたことが大きい。1番関根、3番佐野、4番牧、5番宮崎と、打線の形が固まったことも得点力アップにつながっている。
またチーム防御率も2.93で4位だ。超大物メジャーリーガーのバウアーが交流戦で3戦3勝。防御率1.50と、ようやく日本の野球にアジャストしてきたことも、プラス材料。交流戦では来日当初の公言通りに中4日登板も実現して結果を残している。投打のバランスはベストの状態を維持しているだろう。
23日からのレギュラーシーズンの再開は2.5ゲーム差で追う阪神との首位攻防戦。勝率が7割を超えるハマスタで戦えることは大きなアドバンテージだ。
阪神OBで横浜DeNAとの対戦を1勝2敗で終えた日ハムの八木打撃コーチが言った。
「1点差だから負けても横浜DeNAに優勝の可能性があるんだよね?横浜DeNAが交流戦で優勝すればレギュラーシーズンへ向けての勢いになるでしょう」
楽天の結果次第で届く“吉報”も一気に3タテで阪神を追い抜くエネルギーに変わるのかもしれない。
(文責・RONSPO編集部)