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3.1キロの体重超過を犯して王座を剥奪されたフランコ(左)の計量を見守る井岡とサラストレーナー(写真・山口裕朗)
3.1キロの体重超過を犯して王座を剥奪されたフランコ(左)の計量を見守る井岡とサラストレーナー(写真・山口裕朗)

「なめてんのか!」約3キロ体重超過で王座剥奪フランコの「ドーピング騒動のせい」の醜い責任転嫁にプロ失格の声…大麻検出問題を逃げずに語った井岡一翔は「正義が勝つ」

 

 ルールミーティングで、当日の午前10時に再計量を行い、58.9キロ以内をキープすることを条件に試合が実施されることが決まった。万一超過した場合には、2時間の猶予が与えられる。井岡が勝てば新王者、フランコが勝つか、あるいは引き分けの場合、王座は空位となる。
 井岡は、通常、当日に4、5キロ体重を戻すため、ガルシアが58。9キロギリギリでクリアすれば、2キロの差があり、安全性に問題が残る。
 山中氏とネリの試合でも、当日の再計量が試合実施の条件とされていたが、階級が、ひとつ上のバンタム級だったにかかわらず58キロに設定されていた。
 異例の大甘措置である。
 安河内事務局長は、「危険性があるかないかは難しいが、管理する立場として、このウエイトの差は気になる。ただ、井岡サイドのそれでもやりたいという強い気持ちにストップをかけることはできない。ハンデを背負うことになるが、本人はそれを覚悟している」と説明した。
 再計量でも200グラムしか落とせていないフランコの体調面を考慮すると、あまり無理な条件をつけると試合が中止になる危険性があり、両者の話し合いにより、58.9キロで落ち着いたという。
 この試合にかける井岡の覚悟と、6200円という異例の高額に設定されたABEMAによるPPV配信のチケットが、すでに販売されているため、なんとしても中止を避けたいとする主催者の意向が、そうさせたのだ。
 また井岡のドーピング問題に関しては、WBAもWADAの基準に準拠するため、その基準値を越えていないのであれば問題はないと公認した。
 体重超過のボクサーが、試合を行う場合、意図的に減量を放棄して体調を整え、その体重差を生かして有利に運ぶケースと、減量ができなかったほどの体調不良が影響して著しくパフォーマンスを落とす2つのケースがある。意図的な体重超過でパワーを生かしたのは、山中を2回TKO勝利したネリのケース。アンダーカードに出る比嘉大吾(志成)は、WBC世界フライ級王者時代に900グラムオーバーで王座を剥奪されたが、ギリギリまで減量に挑んだ影響で完敗した。今回のフランコが、どんな状況かの判断は難しいが、一連の様子を見る限り、最後は減量を放棄したが、体調不良がうかがわれる。
 手数と前に出続けるスタミナが武器のフランコのようなタイプは、それほど体重差を生かすこともできず、ドローに終わった第1戦のときのようなペースはつかめないだろう。途中でギブアップする可能性さえあるとみる。
「ダイレクトリマッチという選択をしたこの試合は、必ず勝ってチャンピオンにならないといけない試合。今までのボクシング人生の生きざま、そして去年の大晦日を超える姿を見せたい。勝って決着をつける、過去の自分を必ず超えてみせる」
 “無冠”の井岡は、そう覚悟を語った。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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