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井岡一翔に判定で敗れた前WBA世界スーパーフライ級王者のジョシュア・フランコがインスタで引退を発表した(写真・山口裕朗)
井岡一翔に判定で敗れた前WBA世界スーパーフライ級王者のジョシュア・フランコがインスタで引退を発表した(写真・山口裕朗)

なぜ井岡一翔に判定で敗れたフランコが電撃引退を発表したのか…抱えていたメンタルヘルスの問題…体重超過の原因か?

 プロボクシングのWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ(24日・大田区総合体育館)で約3キロの体重超過でタイトルを剥奪されて元4階級制覇王者の井岡一翔(34、志成)に0-3判定で敗れたジョシュア・フランコ(27、米国)が一夜明けた25日、自身の公式インスタグラムで現役引退を電撃表明した。フランコはキャリアの大半の時間にメンタルヘルスの問題を抱えていたことを明かした。陣営は、試合後に「フランコの個人的な問題で試合をキャンセルして帰国する寸前だった」と明かしていた。テニスの大坂なおみ(25)や、井岡と同日にフランスで再起戦を飾ったキックボクサーの武尊(31)らのトップアスリートもメンタルヘルスの苦悩を吐露しているが、ここ数年、日本のボクシング界でも問題になっている。

 「東京の試合が公式戦最後の試合になった」

 

 衝撃的な文面だった。
 常識外れの2.9キロの体重超過でWBA王座を剥奪され、当日計量の条件付きで上がったリングで井岡に0-3で完敗したフランコが自身の公式インスタで引退を表明した。
「昨夜の東京での試合が、私にとって公式戦最後の試合となった。タフな1週間で、思うような結果は残せなかったけれど、自分のすべてを出し切ったと思い、このスポーツ(ボクシング)から離れる」
 前日の試合後は、今後の進退について聞かれ「チームのメンバーと相談して決めたい」と返答するに留まっていた。まだ27歳。昨年大晦日の井岡戦は、ドロー。体重超過した今回の試合では、体調不良からのギブアップが不安視されていたが、相変わらずの手数を繰り出してフルラウンドを戦い抜き、ジャッジの一人は、113-115とわずか2ポイント差だった。
 引退を報告したインスタは、感謝の言葉から始まった。
「まず最初に、私のキャリアを支えてくれたすべての人にありがとうと言いたい。皆さんの変わらぬサポートに感謝している。世界チャンピオンになるという子供のころからの夢を実現することができた。世界中で何度もタイトルを防衛し、常にサンアントニオの代表として誇りをもってベストを尽くした」
 そして引退の理由ともいえる衝撃的な事実を明かした。
「キャリアの大半の間、私は、精神的な問題を抱え、それをコントロールすることに全力を尽くしてきた。誰にも言い訳をしていると思われたくなかったし、違った目で見られたくなかったから、これまで決して公には話さなかった。それでも私は、皆さんに素晴らしい試合をお見せするために、できる限り戦い抜いた」
 メンタルヘルスの問題を抱えていたのだ。
 フランコは、今回、1度目の計量でリミットの52.1キロから3.1キロオーバーの大失態を犯した。2時間の猶予を与えられたが、わずか200グラムしか減らなかった。
 前日会見で、ガルシアトレーナーは、「2日前の(井岡の大麻成分が検出されたドーピング問題の)発表で、本人も試合が開催されないんじゃないか、このままアメリカに帰らねばならないのではないか、という気持ちになって、精神的に厳しい状態に追い込まれた」と、フランコが精神的ショックを受けたことで減量に取り組めなかったことを明かした。

 

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