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左からJBCの萩原理事長、平仲会長、日本プロボクシング協会のセレス小林会長
左からJBCの萩原理事長、平仲会長、日本プロボクシング協会のセレス小林会長

なぜ“替え玉ボクサー事件”が起きたのか…仲介人に騙された平仲会長の“脇の甘さ”と飲食代3万円を請求していたJBCの杜撰な馴れ合い体質

 実は、今年に入って平仲ジムとJBCの間にはひと悶着があった。
 平仲ジムが所属選手を台湾でのボクシングイベントの派遣した際に、当初は、JBCの担当者からの承認が下りていたにもかかわらず、現地入りしてから、そのイベントが公式には認められていない非ボクシングイベントだったため、安全が担保できないとして、急転、承認が取り消され、出場が認められなかった。ただ承認されたメールのやりとりも残っていて、その後、JBCが不手際を謝罪したのだが、その際に、迷惑をかけたとの引け目もあり、パスポートを提出できなかった平仲会長に、毅然とした態度を貫くことができなかったのかもしれない。 
 JBCの萩原理事長もこう反省を口にしてファンや関係者に謝罪した。
「安全性を守れずファンへの裏切りが起きたことは重大。パスポートをチェックできなかった運営上のミスを重くとらえている。ヒューマンエラーではすませられない。人と組織を変えることを考えている。我々は命と直結するスポーツを管理する組織。どう改善するかを考えていきます」
 今後は、JBCの倫理委員会を経て、平仲会長、ボビー氏、平仲絢子マネージャーのライセンス停止処分が審議されることになる。平仲会長らも、仲介者に騙された形なので、裁量には配慮されるが、「騙されたとはいえ、入国のチェックなどを怠ったプロモーターとしての責任がある」(安河内本部事務局長)ため、少なくとも1年以上の停止処分が下されるとみられる。
 平仲会長は「大変なことをしてしまったという責任はある。逃げずに処分を受けたい」と神妙だ。また平仲会長は、西部プロボクシング協会の会長、全日本プロボクシング協会副会長の要職にあり、その進退を全日本プロボクシング協会のセレス小林会長に一任したいとの意向を示していたが、小林会長は、「それは僕が決めることではない。まずは西部で話を揉んでもらうのが一番。僕からは何も言わない」との指針を示した。それを受けて平仲会長は、「西部の理事会の決定に従いたい」と、進退についての考えを明かした。
 一方のJBCも、評議員が萩原理事長、理事会が、安河内本部事務局長のなんらかの処分を決め、当該の試合管理部長は、部長職を解かれ、降格人事がなされる模様。また組織の大幅な改革も行われる方向だ。
 事故が起きなかったことが幸いだが、素人の別人をリングに上げて、ファンの信頼を裏切り、プロボクシングの信用を失墜させた責任は重たい。残った疑問を解き、前向きな事後処理をしなければ、“替え玉ボクサー事件”のショックは払拭できないだろう。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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