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巨人が中継ぎ強化第3弾となる石川ー小沼の電撃トレードをロッテとの間で成立させた
巨人が中継ぎ強化第3弾となる石川ー小沼の電撃トレードをロッテとの間で成立させた

「行き当たりばったりで見通しが甘い。トレードより自前の若手を育てよ」 巨人大物OBが中継ぎ補強第3弾となるロッテとの石川慎吾―小沼健太の電撃トレードに苦言

 巨人と千葉ロッテの両球団が3日、巨人の石川慎吾外野手(30)とロッテの小沼健太投手(25)の1対1の交換トレードが成立したと発表した。巨人は中継ぎの強化、ロッテは打線強化が目的で両球団の思惑が合致した。巨人は5月に廣岡大志内野手(26)とのトレードでオリックスから鈴木康平投手(29)を獲得し、1日には新外国人としてWBCパナマ代表左腕のアルベルト・バルドナード投手(30、ナショナルズ傘下3A)の入団が発表されていた。今回が中継ぎ補強の第3弾。巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた広岡達朗氏は、「本来ならば昨年オフにやっておくべきこと。行き当たりばったりで球団の見通しが甘い。外から獲るよりも自前の若手を育てるべき」と、苦言を呈した。

 獲得したロッテの小沼は最速151キロの1m89長身右腕

 電撃トレードだった。
 巨人がだぶついていた石川を放出して、ロッテの小沼を獲得した。
 救援防御率が3.90とリーグワーストの苦しい中継ぎ補強の第3弾。小沼は2020年の育成ドラフト2位でBCリーグの茨城からロッテに入団すると、1m89の長身から投げ下ろす最速151キロのストレートとフォークを武器に1年目にイースタンリーグのセーブ王を獲得。昨年は開幕前に支配下登録され、5月にプロ初勝利をマークしたが、7月に4試合すべてに失点して登録抹消され、ファーム暮らしが続き、今季もここまで1軍ではわずか4試合登板に留まり、防御率9.00と結果を残せていなかった。それでも、まだ25歳と若く、荻野や高部をケガで欠き、外野と右の代打の補強がポイントだったロッテの思惑とも合致する形で、そのポテンシャルにかけて白羽の矢を立てた。
 ロッテのGM時代にバレンタイン監督を招聘するなどメジャーリーグにも明るい広岡氏は、「プレーオフ進出を狙うチームが、前半戦の折り返しにトレードを仕掛けるのはメジャーでは珍しくないこと。日本でも、どんどんやればいいし、昨年の現役ドラフトの成功のように、出番のない選手を動かして、お互いの弱点を埋める今回のようなトレードは大賛成だ」とした上で、こう苦言を呈した。
「巨人の場合中継ぎを強化しなければならないということは、2、3年前からわかっていたこと。本来ならばトレードは去年のオフにやっておかねばならないことだ。中継ぎの弱さが露呈してからの、行き当たりばったり、球団の見通し、強いてはGMの見通しが甘いと言わざるをえない。原が監督とGM的な役割を兼ねているそうだが、そういうことであれば原の責任でもある」
 広岡氏は手厳しかった。
 そして「なぜ若手の育成に力を入れないのか。素質のある選手は少なくない。鈴木、外国人、そして今回の小沼と続く3人目の補強になるが、トレードよりも自前の若手を育てることに目を向けるべきだ。目先の補強にばかりとらわれていれば、来年、再来年とチームを土台から強化することができない」と続けた。
 オリックスから獲得した鈴木のトレードは現時点で成功している。ここまで13試合で1敗4ホールド。防御率は4.91と悪くても、“7回の男”として重宝され、クローザーの大勢が離脱したが、中川が代役をつとめ、現在は11試合連続で無失点。先発から中継ぎに配置転換したビーディも成功。そこに右腕では育成ドラフト2年目の菊地、横浜DeNAを戦力外になった三上らが加わり、左腕のワンポイントとして大江、高梨らが控え、横川を配置転換するなどして、やりくりしているが、まだ中間地点を過ぎたばかりであるという現状を考えると、8月、9月の戦いを見据えて、中継ぎの層をさらに手厚くしておきたいという原監督の意向は理解できる。だが、広岡氏は、そもそもの開幕時点での準備不足を指摘し、「目先の補強で自前の選手が育たない」という“負の連鎖”が続くことを危惧した。
 さらに広岡氏は、今後のセ・リーグのペナントレースの行方とチームの問題点をこう指摘した。

 

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