なぜセルティック古橋亨梧のビッグクラブ移籍は実現しなかったのか…新たに4年契約…高すぎた移籍金
スコットランドリーグのセルティックは4日、昨シーズンのリーグ得点王とMVPを獲得した日本代表FW古橋亨梧(28)と、新たに2027年6月までの4年契約を結んだと発表した。公式戦全体で34ゴールをマークし、セルティックの国内三冠獲得に貢献した古橋に対しては、プレミアリーグのトッテナム・ホットスパーやバーンリーなどが獲得に動くと報じられていた。キャリアハイの数字を残した古橋は、なぜステップアップを果たせなかったのか。
「これは大きなクーデターだ」
去就が注目されていた古橋のセルティック残留が決まった。しかも、2年を残していた契約を一度破棄し、新たに2027年6月までの4年契約を結んだ。
ファン・サポーターが待ち焦がれてきた吉報を伝えたセルティックの公式HPは、物騒な響きを伴う言葉を使って古橋の残留を歓迎した。
「これは大きなクーデターだ」
暴力的な手段で引き起こされる変革を意味する、フランス由来の外来語を用いるほど、古橋の決断はクラブに関わるすべての人々にいい意味で衝撃を与えた。セルティック加入後の2シーズンで、公式戦83試合に出場して54ゴールをゲット。昨シーズンは27ゴールでリーグ得点王を獲得した古橋を巡っては、今夏で退団する噂が絶えなかったからだ。
例えばスコットランドの日刊紙『THE SCOTSMAN』は、古橋が結んだ新たな契約を報じる記事のなかで次のように綴っている。
「素晴らしい得点率を残す28歳のストライカーには、ヨーロッパの多くのクラブが興味を示していた。しかし、新たな契約は彼の将来に関する憶測を終わらせた」
実際、プレミアリーグのクリスタル・パレスやノッティンガム・フォレスト、ボーンマス、来シーズンから同リーグに昇格するバーンリーなどが古橋の獲得に動くのではと報じられていた。なかでも昨シーズンまでセルティックを指揮したアンジェ・ポステコグルー氏(57)が新監督に就任した、トッテナム・ホットスパーを本命にすえるメディアもあった。
セルティックに関するニュースを専門的に報じるウェブメディアの『67 HAIL HAIL』も、古橋の残留を伝える記事のなかでこう報じている。
「前任者のアンジェ・ポステコグルーとの親密な関係を考えると、キョーゴがこの夏に退団するのではないかとセルティックのサポーターの間では恐れられていた。喜ばしいことに私たちはあと数年、セルティックのシャツに身を包んだ彼の勇姿を楽しめる」
昨シーズンの途中から飛び交っていた噂や憶測には、世界最高峰の舞台とされるプレミアリーグで古橋を見てみたい、という期待も含まれていた。28歳という年齢を考えれば、ステップアップを果たす上でラストチャンスになるとも見られていた。
日本代表の6月シリーズを終えた時点で、古橋も「まずはしっかり休んで、また考えたい」と移籍に関して肯定も否定もしなかった。弾き出された結論はセルティック残留だったが、同時に疑問も頭をもたげる。なぜ今夏でのステップアップを果たせなかったのか、と。
最大の理由が、セルティックが設定した移籍金となる。