2つのSNS投稿を巡って起きた巨人高梨の“炎上騒ぎ”は「申し訳なかった」の阪神近本への謝罪で解決に向かうのか…誹謗中傷も
選手個人のSNSやユーチューブ投稿が当たり前の時代になっているが、「巨人もチームとして、ツイート管理した方がいいのでは」の書き込みもあった。実際、各チームは、選手へSNSの使い方についての講習などを行っているが、さらに注意を喚起する必要はあるのかもしれない。
明らかに誹謗中傷と取られるリツイートも見受けられた。
ここ数年、プロ野球で大問題となり、NPBや各球団が呼びかけている誹謗中傷問題。今回も、高梨の“二次被害”がクローズアップされる事態にもなっている。
阪神を巡る過去の死球渦では“ミスタータイガース”掛布雅之氏が、1986年4月20日の中日戦で、斎藤学氏(現ソフトバンク投手コーチ)に左手首に死球をぶつけられて骨折、1か月の長期離脱をした事件がある。
斎藤氏は、後日、お見舞いの花束を持って“直接謝罪”に訪れるという大騒ぎになった。当時は、SNSはなかったが、斎藤氏には、心無いファンからの嫌がらせの手紙などが殺到していた。掛布氏は、「避けられる技術のなかった僕が悪い。勝負の世界なんだから謝る必要などない」と斎藤をかばった。
結局、掛布氏は、内角球への恐怖心を植え付けられ、成績が急降下。最後は腰や膝に抱えた慢性的な故障が原因で、2年後に引退。ドラフト1位で入団したアンダースローの斎藤氏も、内角を攻めることができなくなり、1勝もできないまま、4年後にソフトバンク(当時ダイエー)にトレードされた。
プロ7年目の高梨と、当時、新人だった斎藤氏とは比較できないが、その心理面と、近本の復帰後への影響が危惧される。
セ・リーグの野球に詳しい元タイトルホルダーの某プロ野球OBが言う。
「真剣勝負の結果ゆえに本来は謝る必要はないと思う。最近は、侍ジャパンで共にプレーしたり、球団の枠を超えた合同自主トレなどが盛んになったことで、敵対心も減り、プロテクターなどの打者装備も充実してきたため、危険な死球は減った。おそらく本当のコントロールミスで起きたこと。ただ本心として申し訳ないと思ったのであれば、素直に伝えた方が、いらない誤解も生まない。SNS時代だけに、そこに配慮も必要だったと思う。高梨がメディアを通じて謝罪したのだから、これで、この問題は幕引きとして欲しいし、今後、阪神ファンは、高梨にブーイングなどもして欲しくない。近本の1日でも早い復帰と、その後のバッティングに影響が出ないこと、心理的なショックを受けた高梨のピッチングにも影響が出ないことを祈りたい」
この意見が今回の問題に関する正論のような気がする。
(文責・RONSPO編集部)