スライディングをしなかった阪神ノイジーの走塁は怠慢プレーだったのか?…広島に負け越した岡田阪神が犯した4つの手痛いミス
岡田監督は、このシーンについて語らなかったそうだが、「守備でも攻めろ!」が持論だ。
日本一となった1985年のキャンプで、当時セカンドを守っていた岡田監督は、吉田義男監督から「守りでも攻めることができる」と教えられた。“牛若丸”の異名をもらったほどの“名ショート”吉田監督の守備哲学を以降、岡田監督は自らの持論とした。
岡田監督は何も愚痴らなかったが、中野の守備に攻める姿勢が見られなかったことには、きっと思うところがあっただろう。 一死一塁から不振の秋山にエンドランを仕掛けられ、ショートゴロで二死二塁となると、4番の西川にライトへのタイムリーを許した。手痛い3点目だった。フルカウントからのカーブ。岡田監督は、この配球を問題視した。
「(西川は)12球団で今一番変化球を打つのが上手い。いくと思わへん球(カーブ)」
西川の球界屈指のバットコントロールに加え、フルカウントになると打者は遅いボールへは対応できる。カーブは、相手の意表をつくボールとしては有効だが、ストライクにはすべて反応してくるフルカウントから選択するボールではない。
この1球も配球ミスだった。
阪神とは対照的に新井監督の采配に広島打線は見事にこたえた。
8回だ。阪神の2番手及川から代打の末包が三遊間を破るヒットで出塁すると、代走に羽月を送り、菊池の打席で盗塁を決めさせた。及川のフォームを完全に盗んだ単独スチール。菊池がバントで三塁に送ると、野間が高いバウンドの一塁ゴロを放ち、その間に羽月が勝負を決める4点目のホームを踏んだ。
試合後に新井監督が「追い込まれながらも最高のファーストゴロだった」と絶賛した野間の一打。
2位の横浜DeNAと1ゲーム差、首位阪神とのゲーム差を2.5に縮めた新井監督は、「首位のチームに勝ち越したということでチームの力も上がっている。また明日からの名古屋ドーム…いや名古屋ドームじゃないですね(バンテリンドーム)。ドラゴンズ戦もがんばりたいと思う」とニコニコしていた。
阪神は、前日に大竹のプロ初完封で勝利したが、この日は、完封リレーでしっぺ返しを食らった。巨人戦で死球をぶつけられた近本が骨折で戦線離脱。代役の島田は、前日には先頭打者アーチを放ったが、この日は、4打数ノーヒットで一度も出塁できなかった。復帰した佐藤は、目の覚めるようなライト前ヒットを放ったが、チーム状態は、まだ上向いてはない。勝負に直結するようなミスを減らすことが、岡田監督が目標とする「球宴までに貯金を減らさない」ための必須条件となる。現在の貯金は「11」だ。
今日7日からは甲子園でヤクルトとの3連戦。初戦に巨人戦で好投した西純、2戦目が伊藤将、3戦目に開幕投手の青柳が復帰マウンドに上がる予定となっている。
(文責・RONSPO編集部)