「不愉快な出来事の後でも彼女はファンを失っていない」母国メディアが“ボールガール事件”余韻で非難止まないブズコバ組を擁護…加藤組の敗退で因縁の再戦は実現せず
コートの上で見せる躍動した姿とは対照的に、ブズコバに対するSNS上での非難の声は止まなかった。先の全仏オープン女子ダブルス3回戦で、第2セットのポイント間に加藤が、ボールガールに球をぶつけた直後にソリベストルモとともに「わざとじゃないのか?」と審判へ激しく抗議。その態度と、失格が宣告された後にほくそ笑んでいた姿がスポーツマンシップに著しく欠けているとして、世界中のテニス関係者やファンから非難された。
コメント欄が炎上状態となった、自身のインスタグラム(@maryybou)を一時的に閉鎖し、沈黙を貫いたブズコバは、ウィンブルドン選手権が迫っていた今月上旬にSNSを再開。母国チェコのメディアの取材にも応じて、失格騒動について弁解や加藤への反撃を始めたため、沈静化していたSNS上での“炎上騒ぎ”が再燃。試合を終える度に、ブズコバの公式ツイッターや大会の公式ツイッターへのリプライが過激に荒れた。「恥をしれ!」「世界で最も嫌われているテニスプレーヤー」などという声や、誹謗中傷ともとれる非難が相次いだ。
一方で母国チェコのメディアやファンはブズコバの応援に回った。
同国のメディア『Aktualne.cz』は、ブズコバが女子シングルス3回戦で、世界ランキング5位のキャロリン・ガルシア(29、フランス)をフルセットの末に撃破した試合を報じた記事で、ブズコバを「ヒロイン」として称賛した。
「確かなことをひとつ言えば、ブズコバは先の全仏オープンにおける不愉快な出来事の後でも、彼女はファンをまったく失っていないということだ。その証拠に、息をのむような攻防となったガルシアとの最終セットを、彼女はドラマのような雰囲気のなかで、万雷のスタンディング・オベーションを浴びながら楽しむことができた」
母国のメディアやファンはブズコバを擁護している。ブズコバが、ロンドン入り後に弁解や加藤攻撃を続け、非難のリツートを恐れることもなくSNSを更新するなどの強気な姿勢を貫いているのもこれらの声に背中を押されているからかもしれない。
ただ客観的に見て全仏における加藤の失格騒動を同メディアが「不愉快な出来事」と表現した点には、世界的な世論との大きな温度差を感じざるを得ない。
実際 女子ダブルス2回戦後に、ブズコバのツイッターには、ブズコバの写真にチェコのメディア名などを記した上で、こんな非難の声が寄せられていた。
「恥ずべきメディアと選手」
ブズコバ、ソリベストルモ組は、全仏に続くベスト8進出をかけて第5シードの強敵を2回戦で下しているグリート・ミネン(25、ベルギー)、アンナ・ボンダル(26、ハンガリー)組と対戦する。