なぜエムバペのレアル・マドリード電撃移籍合意報道が出たのか…移籍金目当てのPSGの思惑
マンチェスター・ユナイテッドなどのプレミアリーグ勢とともに、レアル・マドリードはPSGが設定した移籍金を用意できる、世界でもひと握りのクラブと見なされていた。それでもペレス会長が「今年ではない」と語るなど、従来の派手な動きを見せて来なかったは、PSG側に追い込まれたエムバペが、今夏の移籍へ舵を切るのを待っていたからだろう。
レアル・マドリードとしても、エムバペはぜひとも迎え入れたい存在だ。長く1トップを務めてきた元フランス代表FWのカリム・ベンゼマ(35)が、サウジアラビアのアル・イテハドへ移籍。新シーズンを戦う上で、補強が必要不可欠なポジションになっていたからだ。
前出の『Defensa Central』は同じく16日に、PSG内における変化を推し測る上のバロメーターとして、オランダ代表選手の動向がカギを握るとも報じている。
その選手はPSGユース出身で、昨シーズンはオランダの強豪PSVでプレーしていたMFシャビ・シモンズ(20)。PSGの有望株だったシモンズは、出場機会を求めて昨夏にPSVへ完全移籍。公式戦49試合に出場して19ゴールをあげるなどブレイクした。
そしてPSVは現地時間16日夜になって、シモンズがPSGへ完全移籍すると発表した。昨夏に放出した際に設けていた買い戻し条項を、PSGは600万ユーロ(約9億3500万円)の移籍金を支払って行使。シモンズはすでに新シーズンへ向けたキャンプを離脱した。
シモンズの買い戻しは、エムバペのレアル・マドリード移籍を見越した上での補強と見ていいだろう。移籍市場に精通しているイタリア人ジャーナリスト、ファブリツィオ・ロマーノ氏は自身のツイッター(@FabrizioRomano)で次のようにつぶやいている。
「エムバペとネイマールが残留した場合にのみ、PSGはシモンズを他のクラブへ期限付き移籍させるだろう。火曜日(18日)には決定が下されると私は見ている」
現地時間17日には、前スペイン代表指揮官のルイス・エンリケ新監督(53)のもとでPSGが始動する。前出の『AS』によればボーナスの半額、4000万ユーロ(約62億円)は今月31日に支払われるものの、エムバペが初練習を欠席した場合には契約が無効になるという。PSG残留か、それともレアル・マドリード移籍か。決断のときが迫っている。