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WBO世界フェザー級王者のロベイシ・ラミレスが井上尚弥との将来的な対戦を熱望した(写真・山口裕朗)
WBO世界フェザー級王者のロベイシ・ラミレスが井上尚弥との将来的な対戦を熱望した(写真・山口裕朗)

「将来的に井上尚弥が階級を上げてくるなら戦いたい。いい試合になる」なぜWBO世界フェザー級王者のラミレスら世界の強豪が次々と“モンスター”との対戦を熱望するのか?

プロボクシングのWBO世界フェザー級王者、ロベイシ・ラミレス(29、キューバ)が18日、ロンドン五輪銅メダリストで元OPBF東洋太平洋、WBOアジア・パシフィック・フェザー級王者の清水聡(37、大橋)との初防衛戦(7月25日・有明アリーナ)に向けての練習を公開した。ディフェンススティックを使った対応練習を視察した大橋秀行会長(58)は「運動能力が高い」と警戒。この試合は元4団体制覇王者の井上尚弥(30、大橋)がWBC&WBO世界スーパーバンタム級王者のスティーブン・フルトン(29、米国)に挑戦するビッグバウトのセミファイナルだが、ラミレスは「井上がフェザーに上げてきたらやりたい。いい試合になる」と将来の井上戦を熱望した。WBC世界ライト級王者のガーポンタ・デービス(28、米国)や元3階級制覇王者のワシル・ロマチェンコ(35、ウクライナ)ら階級が上の名だたるボクサーが将来の対戦希望を口にしており、4階級制覇を果たす前から“モンスター”は、世界の中心的存在となりつつある。

ニックネームは「トレイン(列車)

 “煙幕”は張らなかった。
 7.25有明アリーナでのW世界戦に向けての公開練習は、フルトンが41秒、井上が30秒、清水が2分…と超時短の煙幕練習が続いていたが、ラミレスは、大橋会長が「長く感じた」とジョークを飛ばすほど普通に動いた。
 ヘッドホンをつけ、スパニッシュのラップミュージックを聞きながらストレッチをやり、次に軽やかなロープ。そしてシャドーボクシングから、最後はカルロス・ベラスケス・トレーナーの繰り出すウレタン製のディフェンススティックをテンポよく外しながらのディフェンストレーニングを披露した。大橋会長は、「運動能力が高い」と警戒した。
 清水との初防衛戦に対しての質疑応答では「いいコンディションを作ってきた。いい試合ができると思う。相手もしっかりと練習してリングに上がってくるだろうから、オレも100%の状態でリングに上がる。いつもやっているスタイルで臨む。ディフェンスの良さを見てもらいたい。どんな試合になるかは火曜のリングでわかる」と、反射神経を生かしたボクシングスタイルを貫くことを強調した。
 そのオリジナルTシャツの背中には「ELTREN」と書かれていた。スペイン語で「列車」の意味。
 キューバ出身の“名伯楽”イスマエル・サラス・トレーナーが言う。
「ロベイシは豊富なアマ経験を持っていて、列車というニックネームの通り、決して止まらないんだ。清水は背が高くてトリッキーだけど作戦は練っている」
 ガードは固くディフェンスからカウンターを狙いながらボクシングを組み立てる洗練されたサウスポー。細かいフェイントを入れながらのフックや左ストレート、左のボディアッパーなどパンチは多彩でスピードがある。
 「トレイン(列車)」の呼び名通りに動きは止まらない。1m65と体格はフェザー級にしては小さく一発で倒すパンチ力はないが、総合力が高い。
 来日して以来、自身の公式ツイッターには、横浜中華街の観光写真や居酒屋で寿司を堪能している姿などを投稿している。
「キューバ時代と違って海外では自由。寿司やとんかつが美味しかった」

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