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  • なぜ那須川天心の「9.18有明」ボクシング転向第2戦にKO率77%の危険な無敗の新鋭メキシカンが選ばれたのか…アマ時代の井上尚弥を2度下したボクサーにも勝利したパンチャー
那須川天心がディオールの古代エジプトの神をイメージしたファッションでボクシング転向2戦目の会見に臨んだ
那須川天心がディオールの古代エジプトの神をイメージしたファッションでボクシング転向2戦目の会見に臨んだ

なぜ那須川天心の「9.18有明」ボクシング転向第2戦にKO率77%の危険な無敗の新鋭メキシカンが選ばれたのか…アマ時代の井上尚弥を2度下したボクサーにも勝利したパンチャー

 キック時代から無敗なのは天心も同じだが、「自分は慎重。いけるとこはいくが、根本はびびりで防御して弱っているときに攻めるスタイル。でも今回は、それを変えるつもりで練習している。接近戦やパンチのまとめ方など、見ている人になんか変わったなあと思ってもらえる試合にしたい」と明かした。
 今回の試合のテーマはハッキリしている。
「殴りにいきたい」
 KO決着だ。
 4月のデビュー戦では日本バンタム級2位の与那覇勇気(真正)に3-0判定で勝利した。2回には右フックでダウンを奪い、ほぼフルマークの圧勝だったが、KO決着とはいかなかった。
「100点だけど120点ではなかった」
 その後、元2階級制覇王者の粟生隆寛トレーナーらと、映像などを分析して、課題を掘り起こした。
「前回はステップ、ジャブ、ワンツーの基本しかやっていなかった。距離をとり、うまく戦う感じで。当てることしか意識していなかった。だから拳が返っていなかった。そこを治すトレーニングをしてきた。まだボクシングのパンチ、通用するパンチではなかった。それでも勝っている。そこにプラスしていけばいい。今回はフックやアッパー、近い距離での攻防などもやっている。自自分から戦いにいきたい」
 ステップインの浅さとインパクトの瞬間にスナップを効かすことができていなかったのが、あれだけクリーンヒットを連発させながらも決定的なダメージを与えられなかった原因。その修正に取り組んできた。
 本田会長が、KO率の高い危険な相手をあえて選んだのは、「パンチがある選手は倒しにくる。だからそこにチャンスある」との目論見もあった。
 ひとつ間違えば一発をもらうリスクもあるが、噛み合うと見越して、KO決着を狙うため、天心の進化と才能にかけたのである。
 ボクシングデビュー戦で、KO決着ができなかったことに対して一部のファンからの非難中傷の声が、SNSなどを通じて届いた。
「倒せなかったことしか言うことがないのかなと思う。SNSで言われたりすることはなんも気にならない。面と向かって言ってみろと思うし、そもそもオレは人が書いているんじゃないと思っていて、全部A1がやっていると。直接の意思疎通ができない人が増えているし、そういう人たちを心からバカにしているんで。自分のスタイルみせるだけ。その人らに合わせることはない。今回は倒しにいきたいから倒しにいくだけ」
 メラメラと燃える反骨心を進化の2文字に変える。
 すでに千葉県成田のゴルフ場のアップダウンを利用した帝拳ジム恒例の走り込み合宿を2度消化した。
「あんなにきついことはなかった。(陸上の)ランナーになるのかというくらい走った。今でも疲労が残っているし、合宿一回目はついていけなかった。でも2回目にいくと走れるようになった。成長していると感じた」
 これからは、試合が決まるたびに走り込み合宿が入ることを知らされ、「当分試合はしたくない」と言って取材陣を笑わせた。
 キック時代は、3分×3ラウンド勝負だったこともあり、20秒サーキットなど、短期勝負の瞬発系のトレーニングが主だった。日本タイトルで10ラウンド、世界タイトルで12ラウンドあり、持久系の能力が必要とされるボクシングでは、トレーニングの種類、内容、量が大きく違ってくる。

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