米メディアが分析した藤浪晋太郎の電撃トレードの裏事情とは?「オリオールズが欲しかった“7回の男”」
アスレチックスの藤浪晋太郎投手(29)のオリオールズへの電撃トレードが19日(日本時間20日)決まった。交換要員はオリオールズ傘下の3Aでプレーする左腕のイーストン・ルーカス投手(26)。電撃トレードの裏事情を複数の米メディアが分析した。
オリオールズからの仕掛け…カノ、バティスタの前を任せる中継ぎ陣
藤浪のオリオールズへの電撃トレードは米メディアにも衝撃を与えた。
記録的な低迷でプレーオフ進出が絶望的なアスレチックスが8月1日の期限までにア・リーグ東地区で首位を走るオリオールズにチームで5番目の高年俸の325万ドル(約4億5500円)で契約した藤浪を放出して若手の有望株を獲得するのは、メジャーでは王道のトレードではある。
だが、先発からスタートして中継ぎに配置転換された4月、5月には“炎上”が続き、防御率が14点までに落ち「メジャー史上最悪の投手」「大失敗補強」と大バッシングされていた藤浪が“急変”して、最下位の最弱チームからワールドシリーズ制覇を狙う最強チームに“出世”したシンデレラボーイ的な移籍が、米メディアにも異例に見えたのだろう。
今回のトレードの裏事情を分析する記事が多く発信された。
スポーツメディアの「ジ・アスレチック」は「なぜ両チームは動いたのか」との見出しを取った分析記事を掲載。獲得に動いたオリオールズのチーム事情に焦点を当てた。
「オリオールズには必要なものが2つある。中盤の中継ぎと先発陣のもう一人だ。球宴出場投手でクローザーのフェリックス・バティスタとセットアッパーのヤニエル・カノの前に投げるブルペン陣に藤浪を加えることで前者の必要部分を埋め合わせた」とした。
MLB公式サイトも「もしオリオールズがポストシーズンを勝ち進んでいく計画を立てているとすれば、投手陣を強化する必要があった。彼らは藤浪の獲得でそれに向けた最初のステップを刻んだ」とし、同じく先発投手をもう一人と、カノ、バティスタにつなぐ、“7回の男”の補強がチームのテーマだったことを伝えた。
「チームは、この2人の右腕が登板できない試合の選択肢で苦労してきた。6フィート6インチ(約198センチ)の藤浪は、左腕ダニー・クロームや右腕マイク・バウマンといった他の重要な中盤の中継ぎ投手とともにうまく配属されていくはずだ」
同サイトは「まだオリオールズの動きは終わりではないかもしれない」とトレードの第二弾があるという可能性を示唆した。