米メディアが分析した藤浪晋太郎の電撃トレードの裏事情とは?「オリオールズが欲しかった“7回の男”」
地元紙のボルティモアサン紙は、さらに詳しく、左腕キーガン・エイキン、右腕オースティン・ボス、右腕マイケル・ギブンス、そして右腕ディロン・テイトと4人の中継ぎ投手が負傷者リストに入っていることを紹介。
「テイトは、まだ今季はメジャーで投げておらず、ギブンスは不安定な4イニングを投げただけ。両投手ともにトレード期限までに復帰するとは考えられていない。エイキンとボスは故障前にから中盤のロングリリーフの役割を任され苦闘していた。救援投手の数を揃えることや、プレーオフの戦いで相手を封じるブルペン投手の重要性から、オリオールズがトレード期限前に別の中継ぎ投手を獲得する可能性はまだある」とも伝えた。
その一方で獲得に動いたオリオールズが藤浪の“急変”をどう評価したかについても、各メディアは細かく分析した。
ボルティモアのニュースサイト「ボルティモアバナー」は、藤浪について、「彩られたキャリアを日本で積んだ後に移籍したMLBの序盤で先発としてはひどく悪戦苦闘した。しかし、シーズンが進むにつれてブルペンに配置転換され着実に向上を見せてきた」と評価。
「藤浪は、7月に入って平均99.6マイル(約160.3キロ)をマークしている速球と、右左打者に関係なく効果的でオリオールズにより大きい価値をもたらす特徴的なスプリッターを持つ。チームは、彼の球種の織り交ぜに磨きをかけ続けるだろうと推測する。おそらく彼のスイーパーを向上させ、彼のカッターは3番目の変化球としてとどめておくだろう。そしてゾーンに投げている今の投球を信じるように伝え、彼にも恩恵をもたらすように願うだろう」
オリオールズの指導でさらなる進化が見られると予想した。
MLB公式サイトも「藤浪はMLBでの経験を深める中で向上を続けてきた。6月初めから17度の登板で19回1/3を投げて防御率3.26で20奪三振としている。彼は7月に特に良く投げ、7度の登板で防御率は2.25を残している」と紹介。
「藤浪の持ち球で最高の武器は平均98マイル(約158キロ)で最速102.1マイル(約164.3キロ)に達した4シームだ。しかし、彼は変化球についても定期的に修正に取り組み、スプリッターやカッターにも頼っている」と分析した。
トレード情報に詳しい専門サイトの「MLBトレードルーマーズ」は、オリオールズが白羽の矢を立てた藤浪の現状をこうとらえた。
「藤浪の31回2/3、防御率5.40の中継ぎでの成績は目を引くものではない。だが、これは、序盤戦の産みの苦しみで捻じ曲げられた数字だ。29歳(の藤浪)は、ここ20試合の登板のうち15試合で無失点。5月27日以来、藤浪は21回2/3で防御率3.32としている。彼はこの間に四球率は、ごく控えめな7%で、奪三振率は優秀な25.6%を残している」
さらに「選手のトータルの成績のうち最近の成績だけを評価することにはリスクがある。しかし、彼の武器となる球の質が藤浪の最近の力強い結果につながっている。短いイニングでの登板は、彼の4シームの平均球速を97マイル(約156キロ)から99-100マイル(約159キロー約161キロ)あたりへと引き上げた。彼は、また80マイル半ば(約137キロ)のカッターを減らし、93-94マイル(約150キロ―約151キロ)のスプリットへの比重を増した」と評価。
「投球の組み立てをシンプルにし、メジャーの打者との対戦を継続して経験してきたことで、ここ6週間、調子を維持できていることにオリオールズは希望を抱くだろう。彼は、すでに素晴らしい救援投手のグループに入り、中盤を任される剛腕になるだろう」と付け加えた。