エムバペにPSGが10年約1576億円“生涯契約”の仰天オファー…それでも拒否濃厚でチームが来日中に去就決定の“Xデー”を迎える可能性も
それでも状況は変わらなかった。前出の『Defensa Central』は別の記事でエムバペ、代理人を務める母親のフェイザ・ラマリさん(49)らが「どれだけプレッシャーを受けようとも、契約延長には応じない」と断言。その上でこう続けた。
「エムバペはPSGへ送る新たな文書を用意している」
今後の動きに関しては、エムバペがPSGと結んでいる契約が関わってくる。スペインのスポーツ紙『AS』などによれば、エムバペが来シーズンもPSGにとどまるだけで、8000万ユーロ(約126億8000万円)ものボーナスが支払われるという。しかも半分の4000万ユーロ(約63億円)の支払いは、今月31日をもって確定するという。
この契約内容を受けて、エムバペとラマリさんはボーナスを受け取った後の8月に入って、一転して沈黙を破ると『Defensa Central』は予測している。
「ボーナスを手にするために、エムバペと彼の母親は基本的に31日まで絶対に行動を起こさない。しかし、直後に状況は一変する。エムバペ側が再びPSGへ送る文書のなかで『2週間以内に移籍させなければ、契約を更新しない状態でチームに残る』と逆に最後通告を突きつける。つまり、8月14日までにレアル・マドリード移籍を成立させろと要求する。この件に関して、タミーム首長やアルヘライフィー会長がかけてきたプレッシャーは、エムバペに対して何ら影響を与えない。すべての面において、エムバペ側が優位に立つ状況が生まれる」
昨シーズンのリーグアンで連覇を達成するなど、直近の11シーズンでPSGは9度も頂点に立っている。国内では無双状態を誇りながら、最高峰の戦いとなるUEFAチャンピオンズリーグでは2シーズン続けて決勝トーナメント1回戦で敗退。準優勝した2019-20シーズンを超えられない状況に、エムバペは不満や失望を募らせてきた。
今月に入ってからはフランスのサッカー専門誌『France Football』にエムバペのインタビューが掲載された。そこではPSGを「ゴシップを呼び込みやすく、分裂を招きやすいクラブ」と位置づけ、さらに「ここでプレーしても、それほど成長の助けにはならない」と批判。複数のチームメイトがクラブ側に異議を申し立てる事態も招いている。
すでに心ここにあらずのエムバペだが、前スペイン代表指揮官のルイス・エンリケ新監督(53)のもと、現地時間17日から始まっているPSGの練習には参加。同21日に行われたリーグドゥのル・アーブルとのトレーニングマッチでは後半開始から投入され、同アディショナルタイムにはチーム2点目となるゴールを決めている。
PSGは、この後、昨年に続いてジャパンツアーを実施。25日にアル・ナスル(サウジアラビア)と、28日にはセレッソ大阪とともにヤンマースタジアム長居で、8月1日にはインテル(セリエA)と国立競技場で対戦し、同13日のシーズン開幕に備えるが、発表された来日メンバーにエムバペの名前はなかった。今夏でのエムバペ獲得へ向けて、すでにレアル・マドリード側も移籍金を含めた資金の調達に動いていると『Defensa Central』は報じている。エムバペの不参加は何かの暗示か。チームが来日中にエムバペの去就が決まる“Xデー”を迎える可能性も出てきた。