「フルトンは大きくて強くスキルを持った男だ」井上尚弥の挑戦を受けるWBC&WBO王者の支持をもう一つのビッグマッチ4団体統一戦を控える無敗王者クロフォードが表明
井上との対戦を熱望しながらも6月18日に豪州で行われたIBF世界スーパーバンタム級の挑戦者決定戦でサム・グッドマン(豪州)に1-2判定で敗れたライース・アリーム(米国)も「ボクシング・シーン」の取材に答えて、この試合をこう予想している。
「フルトン対井上は素晴らしい試合になるだろう。この先、どちらかが、私の対戦相手になる可能性があるから、注意深く見ている。私の意見はフルトンが逆転勝利する方に傾いているけど、ただ彼が海外で戦うのは難しいだろう。みんなは異国の地で戦うことがどれだけ大変なことかわかっていないんだ」
アリームは、グッドマンと敵地の豪州で戦った際に、時差ボケなど海外での環境の変化に戸惑い、コンディションをベストに保てなかったという。フルトン支持を明かしながらも「海外で戦うのは難しい」と予想は揺れているのは、それが理由だ。
確かに井上にはホームで戦える有利さがある。
クロフォードが指摘した体格差と、その有利さをポイントアウトにつなげることのできるテクニックについても、井上自身は問題にしていない。
「体重が1.8キロプラスしたことがプラスに動いている。パワーはもちろんスピードも落ちずに増している。自分にすべてがプラスに動いている。今回は不安材料がまったくない」
そしてフルトンがロングレンジと密着戦を織り交ぜながら判定勝利を狙ってくる戦術についても、「どう賢く戦うか。頭脳戦になると思う」と、すでに対策をイメージしていることを明かし、こう断言した。
「一発が当たれば、試合が終わるという自信を持って練習をしてきている。(一発が当たれば)間違いなく終わると思う」
陣営では、従弟でスーパーライト級でサイズのある井上浩樹を仮想フルトンに見立てて、遠い距離から飛び込んでパンチを当てる対策も練った。
井上が口にした展開はクロフォードが一度目に口にした予想に重なる。
大橋会長も、「発表されている数字よりもフルトンは大きく見える。ただ体格差を強調されるけど、同じ体重でやるわけだから、実際は関係ないんだよね。尚弥は、階級が上がれば上がるほど力を発揮するタイプ。これまでは減量でかなり本来持っている力を削ぎ落していたからね。背中の筋肉のつき方も凄い。上の階級へ持っていけるスピードに加えて、パワーもこのクラスで十分に通用する」と、体格差不利説を一蹴した。
世界が注目している決戦まであと4日。
行事としては、公式会見、計量を残すのみとなった。