• HOME
  • 記事
  • 格闘技
  • 今日“大荒れ必至”の井上尚弥vsフルトン計量&ルール会議…“難癖”防止のためにJBCは2種類の計量器を用意…レフェリーは亀田興毅ー内藤大助戦を担当した厳格“日本通”でジャッジも公平人選
WBC&WBO王者のフルトンに挑む“モンスター”井上尚弥(写真・山口裕朗)
WBC&WBO王者のフルトンに挑む“モンスター”井上尚弥(写真・山口裕朗)

今日“大荒れ必至”の井上尚弥vsフルトン計量&ルール会議…“難癖”防止のためにJBCは2種類の計量器を用意…レフェリーは亀田興毅ー内藤大助戦を担当した厳格“日本通”でジャッジも公平人選

 ちなみに3人のジャッジは、カナダのリチャード・ブルーイン氏、イタリアのグイド・カヴァレリ氏、スペインのマヌエル・パロモ氏が務めることも判明した。ブルーイン氏は2019年6月に千葉の幕張で現WBA世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(志成)がアストン・パリクテ(フィリピン)を10回TKOで下して4階級制覇を果たしたWBO世界スーパーフライ級戦で1度来日経験があるが、あとの2人は初来日。アジア、米国出身のジャッジを排除した中立の構成。ブルーイン氏は北米のカナダで活動しているが、フランス語圏のケベック州出身なので、どちらかといえば欧州系。
「賢く戦いたい」と明かすフルトンはロングレンジの戦いと密着戦を使い分けて判定勝利を狙ってくるだけにジャッジ構成も重要だが、公平な裁定が期待できる人選だろう。

 また大橋会長は冗談めかして「あのヒゲはどうなんだ」と顎全体を覆うフルトンのヒゲを問題視した。過去の数試合に比べて短くカットしてきているが、あまりに分厚いヒゲは顎という急所を守るクッションの役割を果たす。JBCルールには「試合の進行を妨げるおそれのある髪型(長髪、ヒゲなどを含む)の者は試合に出場することができない」との一文がある。ただWBC、WBOなど認定団体には、ヒゲに関しては規制するルールがなく、問題にはならないそうだが、ルールミーティングで井上陣営から質問くらいは飛ぶのかもしれない。
 ローカルコミッションであるJBCも万全の体制を整える。
 従来は分銅式の計量器を使用しているが、当初、フェザー級に転級して現WBC世界フェザー級暫定王者のブランドン・フィゲロア(米国)と再戦する予定だったフルトンは、「順調に落ちている」とは言っているものの減量は厳しく、そこにまた難癖をつけてくる可能性もある。いらぬトラブル防止のため、今回は、分銅式とデジタル式の2種類の計量器を用意して備える。
 井上が4つ目のベルトを奪取した昨年12月のポール・バトラー(英)戦でも、相手陣営の要望もあり、デジタル式の計量器が日本の世界戦では初めて用いられ微妙な誤差から井上が1度目の計量で30グラムオーバーのミスを犯すという異例の事態もあった。
 今回は1.8キロ増えるスーパーバンタム級で井上陣営には何の不安もない。
 公式会見で井上は、こうメッセージを発信していた。
「最高の結果を出して、最高の試合内容で勝って、チャンピオンなる姿を見せるので楽しみにして下さい」
 両選手が今日の計量を無事にクリアすれば後は運命のゴングを待つだけである。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

関連記事一覧