フルトン戦の一夜明け会見に出席した大橋会長、井上尚弥、真吾トレーナー(写真・山口裕朗)
井上尚弥の仰天ドリームプランが判明…4団体統一、“悪童”ネリ、“暴走男”カシメロ、5階級制覇、東京ドーム進出、全国ツアー
実は、タパレスは井上家にとって縁のあるボクサー。弟で現在WBA世界バンタム級王者の拓真が、2016年の12月30日に、当時WBO世界バンタム級王者だったタパレスへの挑戦が決まって発表までされたが、拳のケガでキャンセルとなった。当時、真吾トレーナーも映像で研究しており、井上も一緒に見て警戒心を強めた記憶があるのだ。
この強敵をクリアすれば、2階級4団体統一王者という世界初の偉業を達成することになる。ただ29日(日本時間30日)に米国ラスベガスで行われるWBC、WBAスーパー、IBF世界ウェルター級王者のエロール・スペンスJr.(米国)とWBO世界同級王者のテレンス・クロフォード(米国)との4団体統一戦で、もしクロフォードが勝てばスーパーライト級での4団体統一に続いての達成となり、井上より先に世界初の座を奪うことになる。またフルトン戦の衝撃で海外メディアが確実視するパウンド・フォー・パウンド(P・F・P)1位への復帰も、このウェルター級の4団体統一戦の内容次第ともされている。
「あまり記録にこだわりはない。まだまだここがゴールじゃない。この先を見ていて欲しい」と言う井上だが、P・F・P1位と、この世界初の記録だけは気になっている。
「一度、P・F・P(リング誌)で1位になっているので、このランキングだけは気になるんですよ。それと2階級4団体統一って、クロフォードがミスったら、自分を除いたら、そう今後も出てこないでしょ? 記録に興味はないが、一応(2階級4団体統一に)リーチをかけているんでね。スペンスを応援します(笑)」
ボクシングの世界が井上を中心に回り始めていることは確かだ。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)