「野球史上最高の1日」大谷翔平ダブルヘッダー完封&2本塁打をタ軍の敵将と選手が異例の称賛「それを目撃できて特別な思いだ」
エンゼルスの大谷翔平(29)が27日(日本時間28日)、敵地のコメリカ・パークで行われたタイガースとのダブルヘッダーでメジャー史上初の偉業を成し遂げた。第1試合に「2番・投手」で先発出場。9回をわずか1安打8奪三振という圧巻の内容でメジャー初の完投、完封で9勝目をゲットすると、45分後の第2試合に「2番・DH」で出場して、2打席連続の37号2ラン、38号ソロを放ちチームの4連勝に貢献した。8月1日(日本時間2日午前7時)に期限を迎えるトレードが封印されることが明らかになった途端の見せた二刀流スターの劇画みたいな活躍を米メディアや、タイガースの監督、メンバーが「野球史上最高の1日」と称えた。
ヒンチ監督「我々を投打でこてんぱんにやっつけた」
敵地の地元紙「デトロイトニュース」がこんな見出しを取って報じた。
「野球史上最高の日」
まさにその表現通りの1日を大谷がやってのけた。
本来は今日28日(日本時間29日)のブルージェイズ戦に登板予定だったが、前日の試合が雨天中止でダブルヘッダーになったことから、移動、即先発の強行軍を避けるために大谷自身が、急遽、1日前倒しの先発を直訴。最速99マイル(159.3キロ)のフォーシームを軸にしたパワーピッチングに、スイーパー、スプリットを丁寧に折り交ぜた投球で111球を投げてスコアボードにゼロを9つ並べた。メジャー6年目にしての初完封である。5回に先頭の4番打者、ケリー・カーペンターにセンター前ヒットを許したが、もしこの1本がなければノーヒットノーランだった。
そして45分後にプレーボールがかかった2試合目の2回二死一塁で回ってきた第2打席に1m98の長身マット・マニングが真ン中低めに投じたフォーシームを捉え逆方向のレフトへ大きなアーチを描く37号2ラン。さらに4回二死走者無しで迎えた第3打席にもマニングから同じくフォーシームを今度はライナーで右中間に叩き込む2打席連続の38号ソロ。打った直後に「痙攣」を起こして、腰付近を抑え、この打席を最後にベンチへ退いたが、チームは11―4で快勝した。
MLB公式サイトによると、「ダブルヘッダーの1試合で完封して、もう1試合で本塁打を放ったのはメジャー史上初」の大記録。1900年以降で投手としてダブルヘッダーの1試合で完封し、投手以外で、次のもう1試合で、先発出場したこと自体、1918年7月17日のベーブ・ルース以来2人目の快挙だという。
前出のデトロイトニュースは、「大谷が記憶に残る、驚愕の一日を飾り終えた。2本塁打に加えて圧倒的な投球。大谷の輝きがすべてにおいて披露された」とし、2本塁打を浴びた先発マニングのコメントを紹介した。
「これまで見てきた中で野球史上最高の日となったかもしれない」
チーム期待の若手右腕は、そう大谷を称賛した。
連敗を喫したAJ・ヒンチ監督も、「彼は2試合両方のフィールド上で最高の選手だった。投球、打撃と両方で本領を発揮したものを目にした。彼は1試合目で完璧に我々を圧倒した。彼を大いに尊敬したい」と大谷にリスペクトの言葉を送った。
また結果的にチーム唯一のヒットで大谷のノーヒットノーランを阻止することになったカーペンターは、「あのような選手が、またいつ現れるか分からない。今日のことを目撃できて特別な思いだ」と話し、1試合目で大谷と投げ合った元同僚のマイケル・ロレンゼンは、「彼は信じられないくらい素晴らしい。昨年も見た。信じられないほどのパワーを持っている」と称えた。