クロフォード(左)がスペンスを9回TKOで下して2階級4団体統一の偉業を成し遂げた(写真・AP/アフロ)
世界注目“最強決定戦”…クロフォードが戦慄の9回TKO勝利でスペンスを下して井上尚弥より先に2階級4団体統一王者の偉業を達成
敗者のスペンスもリングに残りインタビューに応じた。
「今日の彼は私より強かった。ジャブも彼の方が良かったし強かった。私のタイミングが合っていなかったのが敗因だと思う。スピードも凄かった。彼が強かったとしか言えない」
プロ29戦目に初黒星を喫し、3つのベルトを手渡したスペンスは、素直に敗戦を認めた。
そしてスーパーウェルター級に階級を上げる案を否定した上でリマッチを求めた。
「ぜひ、もう一回やりましょう。もっと強くなって戻ってきますよ。年内にやれたらいいんじゃないですか」
対するクロフォードも「次に対戦するなら、また実力を伯仲させて、もう一回私が勝つ」と返り討ちをすることを誓った。
この試合の結果を気にかけていたのが、7月25日に有明アリーナでスティーブン・フルトン(米国)を8ラウンドに衝撃TKOに沈めて、WBC&WBO世界スーパーバンタム級新王者となった井上尚弥である。
井上は12月にWBAスーパー&IBF世界同級王者のマーロン・タパレス(フィリピン)と統一戦を行う方向で進んでいるが、もしクロフォードが、スペンスに勝てば、2階級4団体統一の偉業の一番乗りは、クロフォードになるからだ。
さらに複数の米メディアが、パウンド・フォー・パウンド1位の行方を、このクロフォード対スペンスの試合内容と、勝者次第と予想しており、一度は1位に輝いたリング誌のP・F・P1位の行方も含めて気になっていた。
井上は、冗談半分で「スペンスを応援しますよ」とも語っていたが、クロフォードは、予想を覆す圧巻の試合内容で、2階級4団体統一王者の快挙を一足先に達成した。
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