交通トラブルで喧嘩を売られた現役ヘビー級ボクサー橘高リオが事件の真相を激白「一瞬、ポカーンとなった」
現役のヘビー級ボクサーがユーチューブに投稿した1本の動画がバズった。元WBCアジアヘビー級王者の樋高リオ(42)が公式チャンネルの「樋高リオ“TheRock”ちぇんねる」で公開した「【危険運転】ヘビー級ボクサーが激怒したヤカラに絡まれた」が304万回以上再生される異常事態となった。社会問題と化している交通トラブルで激高した男に喧嘩を売られた樋高が、その衝撃の“オチ”も含めて一部始終を投稿したもの。この手のユーチューブには演出されたものが多いが、真相はどうだったのか。現在、ボクサー、警備会社勤務、パーソナルトレーナー、ユーチューバーの“4足の草鞋”をはきながら、「世界」の夢をあきらめずに海外リングを主戦場に戦いを続けている樋高を直撃した。
「おまえが喧嘩売ってきたんや。オレとやりたいんやろ。車降りてこいや」
臨場感たっぷりの衝撃映像だった。
ヘビー級の元西日本新人王で、JBC非公認ながら元WBCアジア(ABCOコンチネンタル)ヘビー級王者でもある樋高が、2015年4月からスタートしている公式ユーチューブチャンネル「樋高リオ“TheRock”ちゃんねる」に7月29日に投稿した交通トラブル映像。樋高によると1か月以上前にスポンサーを訪問するために大阪西区を車で走行中に巻き込まれたものだという。
簡単に内容を説明すると、別件の動画を撮影しながら運転していた樋高は、信号のない道路で一時停止していた一台のバイクを追い越した。その後、電話をかけるために車を停めていると、そのバイクに乗っていた作業着を着た30、40代くらいの男性がドアをこんこんと叩き、「見てたやろ?当たりそうになっているやないか?」と因縁をつけてきた。接触ギリギリの危険な追い越しをしたと激高したのだ。
樋高が窓を開けずに戸惑っていると、ドアーミラーを殴り「開けろや」と窓を叩く。樋高は苦笑いを浮かべながら、「いや止まっていたから」と穏やかに説明したものの、その男性は「お前、いきってんのか?」と挑発してきた。「いきる」とは大阪弁で「喧嘩売っているのか?」の意味だ。
樋高は落ち着いて説明したが、やりとりは噛み合わず、ブチ切れた男性は「なんでオレが止まってたらあかんねん。気分悪い。もうやろうや!」と“タイマン”を要求。
「いやそんなんじゃないんで」と樋高が手で制したが、「おまえが喧嘩を売ってきたんやんけ。オレとやりたいんやろう?」と引き下がらない。
「一回降りてこいや!」と、執拗に要求してくるため、樋高が仕方なく服を脱いで黒のタンクトップ姿になって車を降りた。すると、その現役ヘビー級ボクサーの肉体とタトゥーを見た途端に、その男性は一言も発しないまま、猛ダッシュで逃走。数十メートル先にあったホテルに逃げ込んでしまった。「なんやったん?」。しばらく後を追いかけた樋高も苦笑いを浮かべるしかなかった。
――凄い反響ですね。
「びっくりですね。再生回数が300万回を超えて、これは8年くらいユーチューブをやってきて過去最高。2021年7月にアップした煽り運転の動画も250万回を超えて回ったんですが、皆さん、交通トラブルに関心はあるんですかね。登録数も、ここのところ2万5000人前後で止まっていたんですが、7000人くらい増えました(笑)」
――ユーチューブで、この手のバズる動画は、演出されたものも少なくないと聞きます。これは実際にあったリアル映像ですか?
「もちろんです。これまでも何度か交通トラブルに遭遇しているんですが、なかなかそのタイミングでは映像を回すことができなくて、今回は、その前にコラボしていたK-1選手の話を運転しながら撮影していたので、本当の偶然ですね」
――樋高さんはJBCライセンスはないものの42歳になった今も現役のヘビー級ボクサーなんですよね?
「はい、そうです。新型コロナのパンテミックの影響で、本拠地にしていたアメリカからは帰国したんですが、昨年は豪州で五輪の元銅メダリストともスパーをしてきました。一発もまともにもらわなかったし、まだ衰えていません。僕はパーソナルトレーナーも仕事にしているので、ボクシングジムには所属せず、いろいろと場所を借りながら、自分でトレーニングをしています。最後の試合が7年前。ブランクがあるので、いきなりレベルの高い元世界ランカーらとの試合は難しいのですが、豪州や欧州からもオファーがあるので、オセアニア、欧州のボクサーを候補にした再起戦を計画中です」