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阪神ベンチの仕掛けが横浜DeNAのミスを誘発した
阪神ベンチの仕掛けが横浜DeNAのミスを誘発した

なぜ阪神はハマスタ連敗を「13」で止めることができたのか…“魔物”振り払った岡田監督の仕掛けと誘発された横浜DeNAの痛恨ミス

 阪神が4日、横浜スタジアムで行われた横浜DeNA戦に5-2で勝利し、昨年のレギュラーシーズンから続いていたハマスタでの連敗記録を「13」でストップした。岡田彰布監督(65)は、8回に代走攻勢でプレッシャーをかけ対する横浜DeNAは、そこで痛恨のミスを連発した。紙一重の“野球の質の違い”が明暗を分けたゲームとなった。

 「今日は勝負と思った」

 歓喜の声で溢れた試合後のベンチ裏。
 岡田監督は、ハマスタで、囲み会見を行う定例の場所である素振り用のミラールームを素通りして、報道陣を球場外の風通しのいい駐車スペースへと誘導した。
「ほんま暑いやん。ベンチは風もない。凪やでえ」
 その熱帯夜のハマスタで阪神が不名誉な記録をストップした。
 昨年から続いていたハマスタでの連敗記録を「13」で止めたのだ。正確にいえばクライマックスシリーズで2勝している阪神はハマスタでの連敗記録は昨年の時点ですでに止めていたのだが、今季は、なぜか甲子園で8勝1敗、ハマスタでは0勝5敗と、互いに“内弁慶シリーズ”とも言える珍しい数字が残っていた。
「去年のことはオレは知らんて。連敗とかいうけど、5回やって勝てなくても今日、勝つだけやんか。オレは何にも思ってない」
 この手の記録にこぎつけられることを嫌う岡田監督からすれば、その話題が遠ざかっただけでもスッキリしたのかもしれない。

 動いた。
「今日は勝負と思った」
 1-2で迎えた8回。先頭の森下が2番手の伊勢から大きくバウンドする三塁への内野安打で出塁すると岡田監督は代走の植田をコールした。伊勢―山本のバッテリーは植田の足を警戒してプレッシャーを感じていた。
 「そりゃ足の速いのをいくやろ。森下よりプレッシャーを感じるやろ」
 続く大山の打席で3度の牽制。カウント2-2からの5球目だった。大山は、そのストレートを見逃して三振に倒れたが、植田が盗塁を仕掛けた。山本の送球はワンバウンドとなりベースカバーに入った牧がスルー。外野へボールが抜ける間に植田が三塁を陥れたのである。横浜DeNAからすれば、山本のスローイングミスに加えて、牧もボールを止めることができなかったというダブルミスである。
 一死三塁の同点機に佐藤はスイングアウトの三振に倒れたが、阪神ベンチがかけたプレッシャーが、横浜DeNAに見えない呪縛を与えていた。
 続くノイジーのライト前へ上がった打球に守備固めで入っていた蝦名が前進し、最後は倒れこむようなダイビングキャッチを試みた。追いついていたが、グラブに当てながらボールがこぼれた。捕ればファインプレー。しかし、球際の弱さを露呈した痛恨のミスだ。
 試合後、三浦監督は「守備固めで関根も蝦名も入れているからね。まだ映像を見ていないが、飛び込んだプレー。練習していくしかない」と振り返っている。
 2-2の同点に追いつき、坂本がライト前ヒットでつなぐ。ノイジーが得点圏に進んだところで、岡田監督は代走・島田を送った。試合後、「外野の2人代えは難しい」と、決断に戸惑ったことを明かしている。
 得点が奪えなかった場合の9回以降の展開を考えると確かに外野手の2枚代えは“究極の勝負手”だった。だが、4回にも坂本、木浪の7、8番の連打でチャンスを作った流れが、岡田監督に“風”を感じさせた。
「ああいう展開久しぶりやったからな。今日は7、8番が当たっていたからな」

 

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