指のけいれんで降板後に40号ソロを放った大谷翔平がマークした“知られざるメジャー初の記録”とは…米ESPNが紹介
エンゼルスの大谷翔平(29)が3日(日本時間4日)、本拠地で行われたマリナーズ戦に「2番・投手兼DH」で先発出場し、4回まで無失点に抑えていたが、右腕と中指のけいれんで59球で緊急降板、それでもDHとして継続出場し8回の第4打席で6試合ぶりとなる40号ソロを放った。リードを2点に広げたが、9回一死満塁から守護神のカルロス・エステベスが逆転満塁本塁打を浴びて3連敗を喫した。エ軍にとって痛恨の逆転負けとなったが、米メディアは、大谷の奮闘を「MVPのように圧倒した」と称えた。登板した試合で4打席出塁、盗塁、本塁打を記録したのはメジャー初の記録だという。
4回で降板を申し入れるもこれまでの速球の平均球速を上回っていた
二刀流スターの肉体が悲鳴をあげた。
大谷はスタートから160キロを超えるフォーシームを連発させ、毎回、走者を出しながらも粘投を続けて4回までスコアボードにゼロを並べていた。MLB公式サイトによると、その球速は、今シーズンのフォーシームの平均球速の96.9マイル(約155.9キロ)を上回り、平均98.7マイル(約158.8キロ)で最速100.2マイル(約161.3キロ)をマークしていた。しかし、5回のマウンドには大谷の姿はなかった。右手中指がつったことで、自らが「1点争うゲーム。投げる選択の方が迷惑がかかる」と、59球で降板を申し入れたのだ。
前回登板の7月27日(日本時間28日)のタイガース戦ではダブルヘッダーの1試合目で初完封、DHで出場した第2試合目では、37号&38号の2打席連続本塁打を放ったが、けいれんで途中交代。同28日(同29日)のブルージェイズ戦でも、両足ふくらはぎのけいれんにより途中でベンチに引っ込むなど、疲労の蓄積は顕著だ。
さすがの大谷も人の子だったのか、と思わせたが、この日は、DHで継続出場し、8回一死走者無しで迎えた第4打席にアイザイア・キャンベルが内角に投じた155キロのフォーシームをライトスタンドの最前列に運んで見せたのである。3-1とリードを2点差に広げた価値ある40号。やはり大谷は規格外だ。防御率1点台で23セーブ、ここまで1敗しかしていない絶対守護神のエステベスが一死満塁から、ケイド・マーロウに打った瞬間にライトスタンドに消えるような逆転満塁弾を浴びて、痛い3連敗となり、プレーオフ進出圏内のワイドカード争いに4ゲーム差となったが、大谷への賛辞の声は絶えなかった。
MLB公式サイトは、「二刀流スーパースターの大谷が右手中指のけいれんで4回に降板したが、それはメジャートップとなる40号を8回に放つことを止めることにはならなかった」と伝えた。
同サイトは、エンゼルスのフィル・ネビン監督の「彼は右手の中指がけいれんして伸ばすことができず、もう投げることができないと伝えてきた。彼のこと、彼の体のことは、いつでも信用している。指なので過度に懸念することはないが、検査はしなければならないだろう。打つ方は問題なかったのは確かだ」とのコメントを紹介。
ここまで3度あった、けいれんを紹介し、「すべてがつながっていると考えているが、この先に向けて心配はしていない」との監督談話も付け加えて、大谷の“今後”の先発起用に問題がないことを強調した。
また大谷自身の試合後の言葉から「大谷は、ネビン監督やトレーニングスタッフと次回先発を飛ばすかどうかについて話し合うと明かしたが、その必要はないだろうと楽観視している。彼は再び投球を試す数日後に指は良くなっているだろうと明かした」と報じた。同サイトによると本塁打は59本ペースだという。
地元紙のオレンジカウンティレジスタ―は、「大谷が早期降板後に40号を放つが、マリナーズが9回にエンゼルスを刺す」との見出しを取り、「大谷は先週の木曜日にタイガースを1安打完封して以来の先発マウンドに上がった。エンゼルスの熱狂的なファンにとって重要なことは、球団が二刀流スターを保持し、トレード期限前に若手の有望選手との取引で放出しないと決めてから初の先発で最初の地元の試合だったことだ」と、大谷のトレード封印と関連づけて報じた。
「大谷をトレードに出さなかった意味は明らかだ。エンゼルスはプレーオフを狙おうとしている。遅かれ早かれこの計画には、健康な大谷が最重要事項となる。ブルペン陣が機能することもそうだ」と指摘した。