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スウェーデンGKゼチラ・ムショビッチがスーパーセーブを連発させてV3を狙った米国をPK戦で撃破した(写真・AP/アフロ)
スウェーデンGKゼチラ・ムショビッチがスーパーセーブを連発させてV3を狙った米国をPK戦で撃破した(写真・AP/アフロ)

なでしこJ準々決勝相手は過去5勝6敗3分のスウェーデン…V3狙った米国敗退は“追い風”か…米ESPNは日本を優勝候補筆頭に

 サッカーの女子W杯決勝トーナメント1回戦が6日、オーストラリアのメルボルン・レクタンギュラー・スタジアムで行われ、FIFAランキング3位のスウェーデン代表が0-0から突入したPK戦を5-4で制して同1位の米国代表を撃破。11日の準々決勝でなでしこジャパンと対戦することが決まった。米ESPNが日本を優勝候補の筆頭に挙げるなど、3連覇を狙う米国の敗退で、日本の12年ぶりとなるV奪取へ“追い風”が吹いてきた。

 スウェーデンの守護神がスーパーセーブ連発

 信じられない幕切れとともに、女子W杯の歴史が大きく動いた。
 サドンデスにもつれ込んだPK戦。4-4で迎えた7人目で、先蹴りの米国選手が右ポストに当てて外した。続くスウェーデンのFWリナ・フルディグ(27、アーセナル)の一撃もGKアリッサ・ネアー(35、シカゴ・レッドスターズ)が一度は食い止めた。
 しかし、真上に舞ったボールがゴールライン付近に落ちてくる。次の瞬間、体勢を崩しながらもネアーが右手で必死にかき出した。ボールはゴールラインを割っていたのか。それとも、ネアーがセーブしたのか。判定はビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)に委ねられ、ゴールライン・テクノロジー(GLT)によってゴールインが認められた。
 公開された画像では、ボールはほんの数ミリだけゴールラインを割っていた。昨年のカタールW杯での“三笘の1mm”をほうふつとさせる“スウェーデンの1mm”で、1991年の第1回大会から8大会連続でメダルを獲得してきた米国の敗退が決まった。
 英BBCが伝えたアメリカのヴラトコ・アンドノフスキー監督(46)の試合後のコメントが、科学の目によって明暗が分けられた一戦を如実に物語っていた。
「私はいまもGLTの画像写真を見る気にはなれない。私の気持ちこそが、このゲームがどれほど残酷だったのかを証明している」
 2017年6月からFIFAランキング1位に君臨し続け、史上初の3連覇を狙って真冬の南半球に乗り込んできた米国撃破に貢献したヒロインは、スーパーセーブを連発させた守護神のゼチラ・ムショビッチ(27、チェルシー)だった。
 延長戦を含めた120分間のスタッツが、国際サッカー連盟(FIFA)の公式ホームページに掲載されている。ボール支配率は33%に対して51%、シュート数は8本に対して21本、そのうち枠内シュートにいたっては1本に対して12本と、スウェーデンは米国の猛攻にさらされ続けた。しかし、最後の砦としてムショビッチが立ちはだかった。
 決まったと思われたシューをことごとくムショビッチにセーブされ、無得点に終わった残像があまりにも強烈だったからか。PK戦では今シーズン限りで引退するレジェンド、4人目のMFミーガン・ラピノー(38、OLレイン)と5人目のFWソフィア・スミス(22、ポートランド・ソーンズ)が立て続けにゴールの枠を外し、3-3でサドンデスに突入していた。

 

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