「史上最悪の会見」日大アメフット部員の大麻&覚せい剤逮捕に関する林真理子理事長ら大学トップ3の会見に見えた矛盾と違和感
8月5日の部員逮捕を受けてチームには無期限活動停止処分が科せられた。
「寮生も居住している場で行われた事件。少なからず部として活動すべきではないと判断した」と澤田副学長。
今季の関東大学リーグ1部への参加については、今日9日までに出場有無の回答をしなければならない。澤田副学長は「(どうするかは)決まっていない」と語ったが、おそらく出場辞退となるだろう。ただ「永遠と言っているわけではない」とも付け加え、解除がそう遠くないことを示唆した。
しかし、逮捕をされた部員の供述次第では、複数の部員がかかわっていた最悪の事態が明るみに出る可能性も否定できず、仮定の話としながらも、澤田副学長は、そうなった場合、部の存続も「考える」と含みを持たせた。
日大は、5年前の悪質タックル問題、田中英寿前理事長の脱税逮捕などを経て、直木賞作家でOBの林氏を新理事長に迎えて「N・N」(新しい日大)へ再スタートを切った。林理事長は、就任から1年を経過した会見で「6合目まできた」と発言していた。しかしこの日は、その言葉を撤回した。
「今回、足元をすくわれた思いがした。6合目から後ずさりした。謙虚に受け止めて、いろんなことを精査して築きあげなければならない」
2時間を超える長い会見は質問が出尽くすまで予定時間をオーバーして行われた。そこは評価できる。ただ、最後までなぜ今回のような問題が起きたのかの背景や理由は明らかにならなかった。日大だけでなく大学スポーツで大麻の問題が出ているだけに、その原因究明こそが重要だった。
ちなみに今回の問題に関しての林理事長、酒井学長、澤田副学長の責任問題については、代表して酒井学長がこう述べている。
「(責任が)ある、ないではなく、今そういう話をする時期ではない。この事件を把握して解決することに全力を尽くしたい」
日大の前途は暗い。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)