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伝統のGT戦で阪神の岡田監督の采配がさえた(資料写真・黒田史夫)
伝統のGT戦で阪神の岡田監督の采配がさえた(資料写真・黒田史夫)

なぜGT戦2つの致命的ミスが明暗を分けたのか…岡田監督は「別にええやん」と許し原監督は「すべての野球人に恥ずかしいプレー」と“断罪”

 6回から登板した桐敷の超ロングリリーフで1-0のスコアで逃げ切るプランが、あの落球から一度は、ぶち壊された。だが、全員野球でカバーして逆転。その展開を岡田監督は「すんなりいってくれたらよかったんだけど」と振り返った。
 スポーツ各紙の報道によると、その後の囲み会見で、島田の落球について質問された指揮官は、こう笑って受け流したという。
「別にええやんか。勝ったんやから。何も責める気もないわ。『どうやった?』と聞くような問題やない。あんなん当事者が一番わかっているから」
 一方の原監督は、ブリンソンが5回に見せた怠慢走塁を許さなかった。
 一死からブリンソンが捉えた打球は、高々と上がりセンターフェンスを直撃した。だが、本塁打と勘違いしたブリンソンは、確信歩きから、まるでホームランのようなペースでゆっくりと一塁へ向かい、単打で終わっていたのである。その後、二死から中山にレフト前ヒットが出た。野球にたらねばは禁物だが、もし二塁に進塁していれば、巨人が先手を取ることができていた。
「申し訳ないね。我々の指導不足。志す少年たちに対して、すべての野球人に対して、なんていうか、私の指導不足もあり、恥ずかしいプレーでしたね」
 全力ゆえのミスと怠慢プレー。同じミスでも内容が大きく異なるプレーに両指揮官の対応も対照的だった。だが、このコメントのコントラストこそが、貯金「20」で首位を走る阪神と、阪神との対戦成績が4勝11敗1分となり自力Vが消滅した巨人との違いを示している。
 実は、岡田監督は巨人との真夏の3連戦を前にしてこんな予告をしていた。
「たぶん原がビックリすると思うわ」
 それが、中5日で先発したビーズリーと第二先発の桐敷の2人だけに試合を任せるという奇策だった。
「ビーズリーは子供が生まれて(名古屋から大阪の)病院に行って、月曜日に来る予定がちょっと退院で遅れた。今日はもう3回で桐敷に代えようと思っていたんだけど、まさか5回まであんなピッチングするとは」
 ビーズリーは5回を3安打無失点。大谷翔平のそれに匹敵するくらい曲がるスイーパーを武器に3回には5者連続三振に打ち取る場面も。2番手の桐敷も、島田の失策がなければ6、7回とパーフェクト。8回は桐敷の打席から始まるところだったが、岡田監督は、中田の逆転2ランがなければ、続投させ2人で完封リレーさせる考えだったという。大竹が発熱で離脱、夏の長期ロードの中で中継ぎに休養を与える狙いをも込めた“一石二鳥”の秘策である。その計画は狂ったが、島本、Kケラー、加治屋が無失点で岩崎までつなぎ、6連勝の舞台を整えた。

 

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