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阪神の梅野が死球を受けて左尺骨骨折で今季絶望(資料写真)
阪神の梅野が死球を受けて左尺骨骨折で今季絶望(資料写真)

阪神梅野の死球骨折による今季絶望はVロードに影響を及ぼすのか…「そういう場面でもない。非常に困る」岡田監督の言葉に怒気

 阪神が13日、京セラドーム大阪で行われたヤクルト戦に5-3で逆転勝利し、2007年以来、16年ぶりの10連勝を果たした。明日15日の広島戦に勝てばマジック「29」が点灯する。だが、チームの要である捕手の梅野隆太郎(32)が5回に死球を受け、左尺骨骨折と診断され今季の出場が絶望的となるショッキングなアクシデントがあった。試合後に岡田彰布監督(65)は、そのコメントに怒りをにじませた。残り39試合。梅野の離脱は、優勝へ向かう戦いにどんな影響を及ぼすのか。

 ヤクルトの与死球数はセ・リーグワースト

 

 16年ぶりの10連勝にも岡田監督は笑わなかった。
 試合後の会見で吐露したのは、死球で途中交代した“司令塔”梅野が今季絶望の骨折を負ったというショッキングなアクシデントだった。
「骨折みたいですよ。今年は無理でしょう」
 4-3で迎えた5回だった。一死から打席に立った梅野は、2番手の今野に対してファウルで粘った。フルカウントとなっての7球目。体に向かって来た144キロのストレートを打ちにいっていた梅野は避けきれず、そのボールが左手首を直撃。「痛!」。大声を出して、その場に倒れこみ、大の字になった。苦悶の表情で下を向き、しばらく立ち上がることもできない。トレーナーがかけつけベンチへ下がり選手交代。すぐさま病院に検査に向かったが、診断結果は、「左尺骨骨折」というショッキングなものだった。岡田監督は、試合中に、トレーナーから、その報告を受けていたという。
 尺骨は、肘から手首まで伸びる2本の前腕骨のうち、小指側にある弱い骨で、ここを骨折するとスイングの際にリストを効かそうとすると痛みが走り、完治まで時間がかかる厄介な箇所だ。
 岡田監督は、言葉の端々に怒りをにじませた。
「あそこでデッドボールを投げる…そういう場面でもないし、厳しいところいくねえ。カウントとか考えるとね。非常に困りますね。骨折までいくとねえ。近本もそうだったけど」
 キャッチャーの古賀は外に体を寄せて外角低めにミットを構えていた。完全な逆球のコントロールミスではある。だが、岡田監督は、そもそも走者もいない場面で、しかも、フルカウントから、そういう厳しいコースに投げ込んできたことに納得がいかない。
 ヤクルトの与死球48はセ・リーグの中で断トツのワーストトップ。ちなみに少ない順から紹介すれば、広島が31、阪神、中日が32、横浜DeNAが33、巨人が45。投手に制球力がないのか、それともギリギリを攻めているのか。
 近本も、7月2日の巨人戦で高梨に死球をぶつけられて肋骨を骨折した。わずか11試合を欠場しただけで7月22日のヤクルト戦から先発復帰してきたが、奇跡に近い回復で、しばらく調子を取り戻すことができなかった。
 巨人も与死球の多いチームではあるが、“アレ”へ向けて突っ走っている阪神がターゲットにされているともとれる。岡田監督は、どこかに不穏なものを感じ取って、怒りをにじませたのかもしれない。
 阪神の捕手登録は梅野、坂本の2人。最悪の場合、捕手経験のある原口が“第3の捕手”として控えているが、この日は、もしもの事態に備えて、原口を代打で起用することもできなかった。
 7回には一死一、三塁の場面で梅野に代わって途中出場した坂本がカウント2-1からの4球目に“奇襲”のエンドランスクイズを仕掛けて、結果、センター前タイムリーとなって、貴重な追加点を奪い、6回からの桐敷、加治屋、岩貞、岩崎の無失点リレーでリードを守りきって競り勝った。しかし、岡田監督にしてみれば、制約をつけられている中でのタクトだった。

 

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