• HOME
  • 記事
  • 野球
  • 阪神梅野の死球骨折による今季絶望はVロードに影響を及ぼすのか…「そういう場面でもない。非常に困る」岡田監督の言葉に怒気
阪神の梅野が死球を受けて左尺骨骨折で今季絶望(資料写真)
阪神の梅野が死球を受けて左尺骨骨折で今季絶望(資料写真)

阪神梅野の死球骨折による今季絶望はVロードに影響を及ぼすのか…「そういう場面でもない。非常に困る」岡田監督の言葉に怒気

 岡田監督は、就任すると同時に「捕手は梅野でいく」と、昨年80試合にしか先発マスク機会を与えられなかった梅野の正捕手を宣言した。4月は打率0割台、5月も打率.205と苦しんできたが、この8月、9月の戦いを見据えて我慢起用を続けてきた。実際、8月は打率.250、6打点と調子が上向きに変わっていた。
 一方で、大竹、村上、序盤の伊藤将、最近では青柳が先発の際には坂本と組ませて、その正捕手争いがチームにプラス効果を生んできた。ここまで先発マスクは、梅野が63試合、坂本が41試合だ。
 今後は、坂本が主戦となり、長坂、栄枝、中川のうちの2人を昇格させ捕手3人制で乗り切ることになるだろう。
 岡田監督は、共同のテレビインタビューで「チーム一丸で乗り切るしかない?」と質問され、「いやいや普通ですよ。乗り切るというか、誰かが1年間(の戦いの中では)ケガをするときもあるけど…こういうのもアクシデントかなと思うけど、ちょっとキツイですね」と珍しく弱音を吐いた。
 スポーツ各紙の取材によると、その後の囲み取材で「補充はできるけれど、代わりはおらん」と嘆いたという。
 2位の広島が中日に延長の末に敗れ、引き分けを挟んで6連敗したため、ゲーム差は8に開き、明日15日にマツダスタジアムで行われる広島との直接対決に阪神が勝てば、いよいよ優勝マジック「29」が点灯する。
 梅野の離脱は、そのVロードにどんな影響を及ぼすのか。
 阪神OBの評論家、池田親興氏は、「痛いなんてもんじゃないでしょう。梅野は、肩、ブロッキング、リードを含めて、阪神が首位を独走している理由のひとつである投手力を軸にした守りの野球を支えている要の選手。また7番打者として、ここにきて打撃も上向いていた。岡田監督が“キツイ”と嘆くのも、当然の大きなアクシデントですよ」と、その影響を指摘した。
 だが、Vロードへの影響には否定的意見だ。
「坂本を併用してきたことが、こういう非常事態に生きる。坂本もここまで自分がマスクをかぶらない試合のミーティングにも参加しているはずなのでカバーはできるだろう。選手ひとりひとりが覚悟を決めて、“梅ちゃんのために”という思いでチームがより一丸になってまとまると思う。もしかすれば、救世主的な選手が出現するかもしれない。今年の阪神であれば、このチームの危機をプラスに変えることができると思う」
 この日もノイジーの体調不良で、急きょ「5番・レフト」でスタメン起用された小野寺が3回に逆転の2点タイムリーを放っている。梅野の離脱をカバーする新戦力が躍動するかもしれない。
 ただ池田氏は「より投手と捕手のコミュニケーションを密にする必要がある」と指摘した。
 また、まるで狙われたかのように近本、梅野と主力が続けて死球禍に倒れたことについては、「どちらのケースもコントロールミスの失投だったと思う。阪神打線が粘り強いので厳しいコースを攻めなければならないという意識はあったのかもしれないが、意図的に狙えるようなコントロールがあれば、もっと勝っていますよ」との見解を述べた。
 岡田阪神は梅野の今季絶望という試練をどう乗り越えるのか。15日からはマツダスタジアムで広島と3連戦、移動日なしで横浜スタジアムで横浜DeNAとの3連戦と、暑い屋外球場でのビジターゲームが6試合続く。
(文責・RONSPO編集部)

関連記事一覧