「普通にやったら完璧な勝ちゲーム」連勝が10で止まりマジック点灯を広島に阻止された阪神の岡田監督が指摘した3つの敗因と“サトテル”へ呈した苦言の意味とは?
阪神が15日、マツダスタジアムで行われた広島戦に6-7で逆転負けを喫して連勝が10でストップ。待望のマジック点灯はお預けとなった。6回に雨の影響で試合が中断した直後に2点を勝ち越された。「普通にやったら勝ちゲーム」という岡田彰布監督(65)が敗因に挙げた理由は3つあり、「5番・三塁」で起用している佐藤輝明(24)の4回の拙守と8回無死二、三塁の反撃機に三振した打撃に苦言を呈した。
14分間の雨天中断の後に待っていた悲劇
これも台風余波なのか。14分間の雨による中断が流れを変えた。 5-5で迎えた6回一死一、二塁のピンチに岡田監督が島本をコールしたところで雨が激しくなった。再開後、島本は二死から今季初めて3番に起用され、初回に同点4号2ランを放っている小園に抜けたフォークをレフト前へ運ばれて勝ち越しを許した。さらに西川には12球も粘られ、最後は根負けしてレフトへ連続タイムリーを浴びた。
これが勝敗を分けたが、デイリースポーツなどの在阪スポーツ各紙が報じた岡田監督の試合後コメントによると、指揮官は「今まで通り普通にやったら完璧な勝ちゲームやん」と振り返り、具体的に3つの敗因を指摘している。
そのうちのひとつが4回のサトテルの守りのミスだ。
一死一塁からデビッドソンが引っ張った三塁左への打球を逆シングルで捕球しようとした佐藤が弾き、併殺どころか弾いたボールを拾いあげることもできず一塁もアウトにすることができなかった。確かに打球は強烈だったが、イレギュラーすることもなかった平凡なゴロ。野球にエラーはつきものだが、これは集中力に欠く、やってはならないミス。併殺でチェンジのところをオールセーフにしてしまい、先発の西純は8番の堂林、代打の田中と2人の打者に無駄な7球を投じることとなった。
無失点には抑えたが、指揮官が指摘するように阪神にとって打順の巡りが悪くなり、5回の広島の攻撃が1番打者から始まり、西純は菊池、野間に連打を浴び、西川、代打・會澤の連続タイムリーで4-5と1点差に詰め寄られることになった。岡田監督は、西純を5回108球で交代させたが、もし佐藤が「普通に守って」併殺で終わらせていれば、西純を6回まで引っ張ることができたかもしれない。
2つ目の敗因にあげたのが2番手の馬場が菊池に与えた四球だ。
6回からマウンドを任された馬場は、先頭のデビッドソンにカウント0-1から不用意に投じたカットボールを右中間スタンドに運ばれ同点の12号ソロとなった。馬場はさらに一死から田中に四球を与え、続く菊池はバントの構えを見せて送る様子を見せていた。急に強くなった雨の影響もあったのかもしれないが、馬場はストライクが入らない。菊池は4球続けてバントの構えを取ったが、結局、ストレートの四球で歩かせて一死一、二塁となり、岡田監督は島本にスイッチした。
そこで雨が激しくなり一時中断。再開後に島本は野間をレフトフライに打ち取ったが、二死になってから、前出のように小園、西川に連続タイムリーを打たれたのである。 「バントさせておいたら0点やんか」とは岡田監督。
岡田監督が求めたのは何も難しいことではない。菊池にバントで送らせて、ひとつアウトを増やし、2点目となる走者を出さないという「普通のこと」ができなかったことを嘆いたのである。