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岡田監督が9回の熊谷の盗塁が京田のブロックにあったにもかかわらずリクエストによって覆ったことに猛抗議
岡田監督が9回の熊谷の盗塁が京田のブロックにあったにもかかわらずリクエストによって覆ったことに猛抗議

「オレは引かん」阪神・岡田監督の走塁妨害を訴える猛抗議の中で一体何が問題になっていたのか?球団は連盟へ抗議の意見書提出へ

 阪神の岡田彰布監督(65)が18日、横浜スタジアムで行われた横浜DeNA戦で9回に熊谷敬宥(27)の盗塁を巡るリクエスト判定に猛抗議した。9回一死からの盗塁がセーフからアウトへ覆ったため、岡田監督はベースの前に足を入れて完全にブロックしていた京田陽太(29)のプレーを走塁妨害だと抗議したが、責任審判の敷田直人(51)は「故意ではない精一杯のプレー。走塁妨害はなく、足がベースに届いていないのでアウト」という判断を下した。5分を越えて抗議すると遅延行為で退場となるが、岡田監督は「オレは引かん」と徹底抗戦の構えを見せていたという。阪神は球団として連盟に意見書を提出する方向。2005年には中日戦での審判への猛抗議から優勝へ一気に加速した。広島が巨人に敗れマジックは「28」に減った。“アレ”へ向けてのエポックとなるゲームだったのかもしれない。

 「走塁妨害だ!足でベースをふさぐ形になっている」

 

 ハマスタが騒然となった。
 阪神が1点を追う9回だ。一死から佐藤がライト前ヒットで出塁すると、岡田監督は代走に熊谷を告げ、続く坂本の打席で代打に糸原を送った。その4球目。熊谷が盗塁を仕掛けた。山本の送球はワンバウンド。熊谷が足から滑り込み、ベースの前に足から突っ込むような形でカバーに入った京田が捕球してタッチにいき、その勢いで転倒した。二塁の小林塁審はセーフの判定。タイミングは完全にセーフだったが、三浦監督がすぐさま「アウトではないか?」とリクエストを要求した。場内のスクリーンに映し出された映像では、明らかに京田の左足がベースの前に入り、完全にブロックしていたため、熊谷の足はベースに届いていなかった。
 3分30秒以上の長いリプレー検証が終わり、審判団が出てきたが、すぐさまジェスチャーで結果が示されることがなく、責任審判の敷田三塁塁審が、場内マイクを使って説明した。
「セカンドベースのところで走者と野手が接触していますが、(走塁)妨害とはいたしません。よってアウト。プレーを再開します」
 わざわざアナウンスで走塁妨害について触れたのは、「ベースをふさぐような映像だったので、お客さんを含めて(走塁)妨害とか、そういう思いがあるのかなと思った」との理由からだったという。
 その判定を聞くと岡田監督が左手を耳のあたりでグルグル回してベンチを出た。
 リクエストに対する抗議は禁止されているが、敷田塁審によると、当初は抗議ではなく「場内のアナウンスがまったく聞こえなかったので説明してくれ」との申し出だったという。
 敷田塁審は「故意ではなく、偶然、あの形になった。お互いが精一杯にプレーして、あの形になり(熊谷の)足がベースに届いていないのでアウトにするしかない」と説明したが、岡田監督は納得がいかず「(走塁)妨害だ。足でベースをふさぐ形になっている」と猛抗議した。
 審判団は、アウトにした理由を「熊谷の足がベースに届いていないこと」としたが、ベースの前に京田の左足が防波堤のように横たわっているのだから届きようがない。
「監督からの見え方と、我々の見え方に、幾分食い違うところが出てくる。説明をして、もっと早く納得してもらればよかったが、妨害と見えるか見えないかの繰り返しになった」(敷田塁審)。
 怒りの形相の岡田監督の猛抗議は続き、レフト側スタンドからは「岡田コール」が起き、ライト側スタンドからは「岡田監督は退場!」の声が上がるなど、場内は不穏な空気に包まれ騒然となった。
 アグリーメントで抗議は5分以内と決められており、それを超えると遅延行為で退場処分となるため、抗議の時間を計っていた小林塁審が、3分を過ぎたところで「遅延行為で退場になりますよ」と警告。それでも「納得がいかない」という岡田監督の抗議が続いたため、4分半を過ぎたところで「これ以上やったら退場になりますよ」と最後通告をしたが、「もうオレは引かん」と岡田監督は、審判の下した見解を断固として受け入れなかった。
 結局、5分を過ぎたところで、小林塁審が岡田監督の肩を両手で持って強引にベンチへと押し返した。岡田監督は、そのままベンチへ下がったが、その審判団の態度や発言に引っかかるところがあったのだろう。何かを言い返して、それを聞いた審判団が詰め寄ってくると平田ヘッドコーチが両手でその審判団を制して遠ざけた。

 

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