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岡田監督が9回の熊谷の盗塁が京田のブロックにあったにもかかわらずリクエストによって覆ったことに猛抗議
岡田監督が9回の熊谷の盗塁が京田のブロックにあったにもかかわらずリクエストによって覆ったことに猛抗議

「オレは引かん」阪神・岡田監督の走塁妨害を訴える猛抗議の中で一体何が問題になっていたのか?球団は連盟へ抗議の意見書提出へ

「時間を守らないといけない。最後は強引に引いてもらった」と小林塁審。
 敷田塁審も「暴言は一切なかった。監督の気持ちはわからないが、最後は、それで引いてもらった」と、岡田監督が、5分以内に抗議を止めた内情を明かした。
 公認野球規則によると走塁妨害は、「野手がボールを持たないときか、あるいは打球や送球を処理する行為をしていないときにランナーの走塁を妨げる行為」とある。コリジョンルールが導入されている本塁のクロスプレーでは、ベースを隠すブロックは許されていないが、敷田塁審は、「コリジョン(の適用)は本塁(のプレー)だけ」と二塁のベース上のプレーはコリジョンの適用外であることを説明した。
 審判団が問題にしたのは、京田のブロックが故意であったか、なかったかの点で、敷田塁審は、あくまでも偶然だったと主張した。
「野手もワンバウンドを捕るためにあのプレーが精一杯。意識的にそういう場所に足を出したとすれば、考え方は変わるが、目一杯のプレーをして偶然、足を止める形になった。(走塁)妨害という風には映らない。いろいろと過去にも(似たケースが)あったが、(走塁)妨害としたものはないと思う」
 ただ、「偶然だった」ということで、これがまかり通るのであれば、今後も二塁ベース上でブロックしながら走者のタッチに向かうというギリギリのプレーが横行するようになるのではないか。また熊谷はスパイクの裏を見せずフェアにスライディングしたが、そのブロックした足を蹴りにいっても文句は言えず、ケガが誘発される危険性もある。
 それでも敷田塁審は「守備側が故意的だったと見れば、フェアプレーじゃないので(走塁妨害の適用を)考えるが、精一杯でたまたま、ああ(ブロック)なった、との我々の映像検証結果」と繰り返した。
 場内のざわめきが続く中で、二死走者無しから試合が再開し、糸原は四球を選んだが、木浪がレフトフライに倒れてゲームセット。審判の判定への怒りの収まらない阪神ファンは、メガホンやゴミなどをグラウンド内に投げ入れ、横浜DeNAのヒーローインタビューの最中に六甲おろしを合唱するなどの許されないマナー違反行為をする有様だった。
 試合後の岡田監督はすぐに関係者入り口から出てきた。
 待ち受ける報道陣に対して、足を止めることなく「しゃべることないわ。ええよ」とだけ厳しい表情で言い放ち、チームバスへと急いだ。そのハラワタは煮えくりかえっていたのだろう。
 代弁したのは平田ヘッドコーチ。
「オレもショートだったから、ああいうハーフバウンドの送球に対しての対応はわかる。明らかに邪魔をしていたよ。故意じゃなかったからという問題ではなく、結果として足が入ってベースを隠しているんだから走塁妨害でしょう」
 球団フロントは、試合後に、ただちに岡田監督から説明を聞き、球団として連盟に抗議の意見書を提出する考えであることを明かした。現場を仕切る球団幹部は、「あのプレーが故意じゃないというのであれば、故意か、故意じゃないかの定義はどこにあるのか。現場の審判の判断次第ということなのか。その点について意見書を出す方向で検討したい」との意向を明かした。

 

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