英メディアは三笘薫のスーパーゴールを「早くも今季のプレミア最優秀候補ゴールが生まれた」と大絶賛

　ブライトンの日本代表MF三笘薫(26)が衝撃的な今シーズン初ゴールを決めた。敵地モリニュースタジアムで19日に行われたウルヴァーハンプトン戦に左ウイングで先発した三笘は前半15分、左サイドから得意のドリブルを仕掛けて40m近くも突破。相手選手4人をかわし、最後はGKとの1対1を制してゴール右隅にボールを流し込んだ。後半開始早々にもアシストを決めて4－1の快勝に貢献した三笘の活躍ぶりを、地元メディアは「今シーズンのプレミアリーグ最優秀ゴール候補が早くも飛び出した」と称賛した。

　得意のドリブルから

　わずか10秒後に三笘の今シーズン初ゴールが生まれる予感は、ほとんどゼロだった。左タッチラインを背にした三笘が味方からパスを受けた場所は、ハーフウェイラインからほんの数メートルだけ敵陣に入ったあたりだったからだ。
　それでも、三笘は得意のドリブルを迷わず仕掛けた。対峙したウルヴァーハンプトンの右サイドバック、ポルトガル代表のネルソン・セメド(29)との間合いをゆっくりと詰める。次の瞬間、素早く右へ切り返し、さらに縦へ急加速してすり抜けた。
　このとき、セメドは必死に左手を伸ばし、ファウルしてでも三笘を止めようとした。三笘もさすがに体勢を崩した。しかし、すぐに上体を立て直す。ユニフォームをつかんでいたセメドの左手を強引に振り切り、縦へ突破するスピードをさらに上げた。
　セメドが、そしてブラジル出身のボランチ、ジョアン・ゴメス(22)が必死に追走するも逆に三笘にどんどん引き離される。相手ペナルティーエリアが見えてきたあたりで、三笘はウルヴァーハンプトンの両センターバックの間も一気にぶち抜いた。
　このときも左のセンターバック、マックス・キルマン(26)が右手で三笘のユニフォームをつかもうとした。しかし、何をしても止められない三笘は瞬く間にペナルティーエリア内へ侵入し、相手ゴールキーパーのホセ・サ(30)と1対1になった。
　ここで三笘は冷静な動きを見せる。体を少し左に傾かせながら、それでいて右足を逆方向へ向けて柔らかくボールにヒットさせる。三笘の動きに惑わされたサが懸命にダイブするも届かない。ゴールの右隅へ0－0の均衡を破る一撃が吸い込まれた。
　シュートを放った後に勢いあまって転倒してしまった三笘の周りには、かわされた4人の選手にキーパーのサ、カバーに戻ってきた左サイドバック、アルジェリア代表のラセン・アイトヌーリ(22)を加えた6人がぼう然と立ち尽くしていた。
時間にしてわずか10秒。距離にして実に約40m。ウルヴァーハンプトンの半分近い選手を“無力化”させたスーパーゴールを、大衆紙『THE Sun』はこう伝えた。
「何というゴールだ。何というセンセーショナルな個人技だ。左サイドバックのエストゥピニャンから最初にパスをもらったとき、ミトマにとってはそれほど大きなチャンスではないように見えた。しかし、ブライトンの日本人ウインガーは何もないところから一人でビッグチャンスを生み出し、魔法のような先制点を決めたのだ」
　同メディアはさらに、三冠王者マンチェスター・シティを率いる名将ジョゼップ・グアルディオラ監督(52)が三笘に興味を抱き、流出を阻止するためにブライトン側が三笘との契約延長に動いている状況を受けた上でこう続けている。
「グアルディオラ率いるマンチェスター・シティが、シーガルズ（ブライトンの愛称）の日本人左ウイングの獲得に乗り出している。ウルヴァーハンプトン戦が始まった時点で、ミトマは5000万ポンド（約92億6000万円）と評価されていた。この夏にミトマの獲得を狙うビッグクラブにとっては安全な金額に映っていたかもしれないが、信じられないような魔法を披露したいま、彼の値札は一気に高騰したはずだ」