花巻東の佐々木麟太郎はプロ志望届を出さずに米国留学を決断(写真・日刊スポーツ/アフロ)
甲子園ノーアーチで終わった佐々木麟太郎はプロか大学かどちらを選択すべきか…「今の打法では故障の危険性がある」の指摘も
松井氏は、野手の場合、大学、社会人に進むべき選手は、「まだプロでやる体の芯が出来上がっていない線の細い選手」だという。
「佐々木の場合、体力はプロ並みにある。大学で4年を過ごすメリットは少ない」
今春WBCで世界一となった侍ジャパンのアメリカとの決勝戦のスタメンを見てみると9人中、高卒プロが6人を占めた。佐々木が尊敬する花巻東のOBでもあるエンゼルスの大谷翔平、ソフトバンクの近藤健介(横浜高)、巨人の岡本和真(智弁学園)、ヤクルトの村上宗隆(九州学院)、山田哲人(履正社)、中村悠平(福井商)の6人が高校から即プロへと進んでいる。
そのうち3人を輩出したヤクルトは、松井氏が、長らく所属していたチームで、古くは池山隆寛(現2軍監督)からメジャーでもプレーした岩村明憲ら高卒の大物野手を育成してきたことに定評がある。
その理由を松井氏はこう分析している。
「ヤクルトで高卒の野手が育つのは、亡くなられた中西太さんの技術指導の影響だと思う。ヤクルトの1、2軍の打撃コーチは、中西さんの指導方法を受け継いでいて、若手に基本技術を会得させて成長させるノウハウのようなものが出来上がっている。佐々木の場合、守るポジションが一塁に限定されていて、DHのあるパ・リーグ向きの選手だと思うが、大学の4年間をプロでの土台作りに置き換えた方が、将来、チームの顔になるような主軸の選手に育つ可能性が高くなると思う」
果たして佐々木はどんな道へ進むのか。そして佐々木を1位でドラフト指名するチームはどこになるのか。運命のドラフト会議は10月26日に行われる。
(文責・ROSNPO編集部)
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