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ノムさんの“右腕”が選ぶ2023年夏の甲子園で光ったプロで見たい逸材
ノムさんの“右腕”が選ぶ2023年夏の甲子園で光ったプロで見たい逸材

夏の甲子園ドラフト候補「プロで見たい」11人の逸材…元ヤクルト編成部長のノムさん“右腕”が選ぶ

 松井氏は、この3人にランクを付けるとすれば、将来性という点で、高橋、福田、湯田の順だという。福田は、大阪大会の決勝で大阪桐蔭の“四天王”の一人としてプロが注目している左腕、前田悠伍と投げ合い完封勝利で投げ勝った。今大会での最速は144キロ。
「馬力があり打者に向かっていく気持ちの強さがプロ向き。腕が振れるから変化球も生きている。ただ上体が突っ込みリリースポイントがまだ安定しない。そこを仙台育英に捉えられた。修正点はあるがドラフト上位で消える逸材だと思う」
 松井氏がストレートの質と特殊球を高く評価したのが、日大三高の安田虎汰郎だ。1回戦の社戦で2安打完封勝利。3回戦のおかやま山陽戦では力尽きたが、「下半身からリードして腕が遅れて出てくる投球フォーム。打者は、そのストレートを140キロ後半くらいに感じていると思う。同じ腕の振りで繰り出すチェンジアップがコントロールされていてよく落ちる。プロでも通用する特殊球」と松井氏。
 社会人に進む予定の徳島商の森も「素材として一級品。ストレートの質が素晴らしい。肩の可動域が狭く、ボールがシュート回転するのが課題だが、そこを社会人で改善してくれば、3年後に間違いなくドラフト上位候補になるだろう」と見ている。また沖縄尚学の東恩納蒼も春のセンバツからの成長を感じた投手。初戦のいなべ総合戦で完封勝利、3回戦の創成館戦も1失点完投勝利した。最速は145キロで縦横のスライダーを駆使した投球術が光った。   
「ボールの出し入れなどに成長が見えた。ボールも速くなっている。OBであるソフトバンクの東浜巨の高校時代に重なる。大学進学だということだが、順調に進めば、4年後はドラフト1位の可能性が高い」
 一方で最速151キロを誇る専大松戸の大型右腕、平野大地はついに登板しなかった。
「投げるコンディションになかったということだろう。スカウトはギリギリまで追いかけるが、かなりのマイナスポイントになってしまったと思う」 
 また松井氏は「2年生に好素材が目立った。来年が楽しみだ」として、土浦日大戦で、7安打完封勝利をした慶応の右腕、小宅雅己、八戸学院光星の147キロ左腕の洗平比呂の2人の名前をあげた。洗平は中日でプレーした洗平竜也の次男だ。
 今秋のドラフト会議は、10月26日。今夏の甲子園を沸かせた逸材たちに、どんな運命が待ち受けているのだろうか。
(文責・ROSNPO編集部)

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