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慶応の“美白王子”丸田が夏の甲子園の決勝戦で史上初となる先頭打者本塁打を放つ(写真・日刊スポーツ/アフロ)
慶応の“美白王子”丸田が夏の甲子園の決勝戦で史上初となる先頭打者本塁打を放つ(写真・日刊スポーツ/アフロ)

甲子園V慶応の“美白王子”丸田湊斗はドラフト指名される逸材か…元ヤクルト編成部長が注目した慶応の選手とは?

 第105回全国高校野球選手権の決勝が23日、甲子園球場で行われ、慶応が連覇を狙う仙台育英を8-2で下して、大正時代の1916年以来、107年ぶり2回目の優勝を果たした。仙台育英には先発した湯田統真、2番手の高橋煌稀らドラフトの上位指名候補がズラリと揃っていたが、そのタレント軍団を打ち破った慶応にプロが注目した選手はいたのか。決勝戦では史上初となる先頭打者アーチを放った1番打者、丸田湊斗の評価はどうなのか。元ヤクルトの編成部長で阪神ではスカウトも務め、ヤクルト、阪神、楽天コーチ時代には、“名将”故・野村克也氏の“右腕”としても知られる松井優典氏に見解を聞いた。

「ドラフトにかかるレベルにはまだ達していない」

 

 慶応の107年ぶりの偉業はイケメンの“美白王子”としてSNSで話題となった丸田の史上初となる一打から始まった。
 カウント2-2。追い込まれた丸田は右足を上げずにノーステップ打法に切り替えていた。今大会で最速となる151キロをマーク。プロ注目のドラフト上位候補である湯田が投じたスライダーを見事に振り切った打球は、価値ある先制アーチとなってライトスタンドへと消えていった。
 試合後、丸田は、このアーチが夏の大会の決勝戦としては史上初の先頭打者本塁打であったことを知らされ、「そんなことを考えてもいなかった。今(史上初の記録だったと)言われて、すごく嬉しい。今までに公式戦で1本もホームランを打っていなくて、このためだけに取っていたのかなと、今思った」と笑った。
 丸田は、2回にも湯田の148キロのストレートにつまりながらもライト前へタイムリーヒット。5回二死二、三塁から外野へ打ち上げた打球をレフトとセンターが接触して落球して2者が生還した一打に打点はつかなかったが、6打数2安打2打点の活躍で、栄誉ある決勝戦のお立ち台に呼ばれた。
 丸田は、今大会を通じて1番打者として打率.409、4打点、7得点の活躍を見せ、U-18日本代表メンバーにも選出されている。50m5秒9の俊足で肩も含めてライトの守備力も標準以上はある。 
 丸田はプロで通用する逸材なのか。
 元ヤクルト編成部長の松井氏は、「大学に進学した後の4年間でどこまで成長するかが楽しみな素材」と評した。
「打撃はシャープでミート力に優れている。カウントに応じてタイミングの取り方を変えているが、ボールを捉える能力にセンスを感じる。足はあるし、肩はそこそこ。3拍子揃った外野手だが、まだプロでやるのは線が細い。体力、パワーを含めると現時点ではドラフトにかかるレベルには達していない。おそらく慶応大に進んで野球をやるのだろうから、その4年間でどこまで成長するのか。将来的にプロでやれるかどうかは、その大学の4年間次第ではないか」
 現在の体格は、1m74、73kg。フィジカル強化も含めた基礎体力アップが今後、プロへ進むための課題になるという。
 仙台育英には湯田、2番手で登板したものの5回に集中打を浴びて炎上した高橋煌稀、1回に浜風に打球が流されフライを捕れなかったショートの山田脩也、2打席連続の二塁打を含む3安打を放った「5番・捕手」の尾形樹人らドラフト候補がズラリと並んだ。では、そのタレント軍団に勝った慶応には、丸田の他にプロスカウトが目をつけるような逸材はいなかったのか。

 

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