「スター八村塁が不在の日本は存在感を欠いた」バスケW杯開幕戦で日本が格上ドイツに完敗…独メディアは酷評
沖縄アリーナで連呼された「ニッポンコール」がむなしく響く。ホスト国の日本は、今大会の伏兵的存在のドイツに完敗して黒星発進を喫した。
第1クオーター序盤から常にリードを許し、8-10で迎えた残り5分25秒からは怒とうの11連続得点を奪われた。31-53で折り返した後半はドイツがややペースダウンしたものの、前半の大量リードが最後まで響いて63-81で逃げ切られた。
周到な日本対策に武器を奪われた。
ドイツ最大のニュースサイト『SPIEGEL ONLINE』は、ドイツを率いるゴーディー・ハーバート・ヘッドコーチ(HC)が日本戦へ向けて講じていた作戦を明かしながら、開幕戦勝利を「ホスト国・日本の盛大なパーティーを台無しにした」と報じた。
「ハーバートHCは日本戦前に『彼らの3ポイントシュートを封じなければならない』と話していたが、その作戦は見事に成功した。日本は遠距離から運を試したが得点には結びつかず、逆にどんどんスコアを離されていった。約8000人の観客のほとんどが日本の赤と白のユニフォーム姿で応援していたが、実力差はすぐに明らかになった。体格と運動能力の優位性を最大限に生かしたドイツが、ハーフタイムの時点で試合に決着をつけた」
日本はNBAで指折りの存在に成長した渡邊、国内Bリーグ屈指の名手・富樫勇樹(30、千葉)らの3ポイントシューターを擁する。ドイツは彼らへのパスを封じるディナイを徹底し、打たれたとしてもリングまでの距離を可能な限り遠ざけた。
象徴的だったのが、第1クオーターでドイツが連続得点をあげている間だ。残り5分8秒で渡邊、3分38秒で原修太(29、千葉)、2分27秒で河村勇輝(22、横浜)が立て続けに3ポイントを失敗。原と河村の場合はリバウンドも奪われて直後に失点した。
日本は最終的に35本の3ポイントシュートを放ったが、成功したのは14.1%にあたるわずか6本だった。大会直前に負った右足首の負傷をおして出場し、チームトップの20得点をあげながら、3ポイントでは10本を放ちながら2本の成功にとどまった渡邊は、試合後のフラッシュインタビューで自らを責めるようにこう語っている。
「前半は僕のシュートが入らなくてチームに迷惑をかけた」
前出の『SPIEGEL ONLINE』はさらにこう続けた。
「大きな期待を背負ってアジアで開催されるW杯に臨んだドイツ代表チームは、開幕戦でその強さを証明した。直近の2度のW杯でグループリーグ敗退を喫したドイツは完璧なスタートを切り、日曜日の豪州戦に勝利すれば2次ラウンド進出が決まる可能性もある。対照的にスタープレイヤーの八村塁が不在日本は、バスケットの下で存在感を欠いた」
大黒柱の期待がかかった八村は6月下旬、今大会の欠場を電撃発表して周囲を驚かせた。日本バスケットボール協会は「NBAの来シーズンの契約、コンディショニングなどの課題を総合的に勘案した本人の意向を受け入れた」と欠場理由を説明していた。
息つく間もなく次の試合がやってくる。
グループEのもう1試合は、FIBAランキング3位で東京五輪銅メダリストの豪州が、同24位のフィンランドに98-72で快勝した。グループEで上位2位までに入らなければ、16チームが4つのグループに分かれて総当たりのリーグ戦を行う2次ラウンドには進めない。
日本は中1日の27日に、ともに初戦を落としたフィンランドと激突する。勝てば豪州との最終戦に望みをつなぎ、負ければ1次リーグ敗退が極めて濃厚になる。W杯の舞台でヨーロッパ勢に白星なしの11連敗を喫した日本にとって、文字通り生きるか死ぬかの大一番になる。
カギを握るのは、やはり八村の欠場で唯一のNBAプレイヤーになった渡邊となる。東京五輪で女子代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHCのもと、勝利を得るために掲げられた「3ポイントシュートの成功率40%」に達するかどうかも、ドイツ戦で20%にとどまった渡邊の復調次第となる。
故障明けでいきなり臨んだドイツ戦で、30分超にわたってプレーした渡邊は、フラッシュインタビューのなかでこんな言葉も残している。
「後半に勝ち切ろう、という思いで臨みました。ズルズルいってもおかしくなかったですけど、集中力を切らさずに戦った結果だと思っています。もうやるしかない。次、勝てるように頑張ります」
ドイツがペースを落とした影響もあるが、それでも後半のスコアは32-28と上回った。格上相手に巻き返せた戦いぶりを自信に代えて、アジア勢の最上位国が来夏のパリ五輪出場権を得る戦いでもある今回のW杯における背水の陣に臨む。
日本、フィリピン、インドネシアが共催するバスケットボール男子のW杯が25日に開幕し、グループEの日本代表は沖縄アリーナでドイツ代表に63-81で敗れた。ドイツはFIBAランキング11位で同36位の日本にとって格上の相手だったが、NBAサンズでプレーする渡邊雄太(28)の3ポイントシュートを封じられての完敗。本来ならばエースであるはずのレイカーズの八村塁(25) がNBAシーズンに集中するために参加を辞退したが、独メディアは、「スタープレイヤーの八村が不在の日本は、バスケットの下で存在感を欠いた」と報じた。
「明らかになった実力差」
沖縄アリーナで連呼された「ニッポンコール」がむなしく響く。ホスト国の日本は、今大会の伏兵的存在のドイツに完敗して黒星発進を喫した。
第1クオーター序盤から常にリードを許し、8-10で迎えた残り5分25秒からは怒とうの11連続得点を奪われた。31-53で折り返した後半はドイツがややペースダウンしたものの、前半の大量リードが最後まで響いて63-81で逃げ切られた。
周到な日本対策に武器を奪われた。
ドイツ最大のニュースサイト『SPIEGEL ONLINE』は、ドイツを率いるゴーディー・ハーバート・ヘッドコーチ(HC)が日本戦へ向けて講じていた作戦を明かしながら、開幕戦勝利を「ホスト国・日本の盛大なパーティーを台無しにした」と報じた。
「ハーバートHCは日本戦前に『彼らの3ポイントシュートを封じなければならない』と話していたが、その作戦は見事に成功した。日本は遠距離から運を試したが得点には結びつかず、逆にどんどんスコアを離されていった。約8000人の観客のほとんどが日本の赤と白のユニフォーム姿で応援していたが、実力差はすぐに明らかになった。体格と運動能力の優位性を最大限に生かしたドイツが、ハーフタイムの時点で試合に決着をつけた」
日本はNBAで指折りの存在に成長した渡邊、国内Bリーグ屈指の名手・富樫勇樹(30、千葉)らの3ポイントシューターを擁する。ドイツは彼らへのパスを封じるディナイを徹底し、打たれたとしてもリングまでの距離を可能な限り遠ざけた。
象徴的だったのが、第1クオーターでドイツが連続得点をあげている間だ。残り5分8秒で渡邊、3分38秒で原修太(29、千葉)、2分27秒で河村勇輝(22、横浜)が立て続けに3ポイントを失敗。原と河村の場合はリバウンドも奪われて直後に失点した。
日本は最終的に35本の3ポイントシュートを放ったが、成功したのは14.1%にあたるわずか6本だった。大会直前に負った右足首の負傷をおして出場し、チームトップの20得点をあげながら、3ポイントでは10本を放ちながら2本の成功にとどまった渡邊は、試合後のフラッシュインタビューで自らを責めるようにこう語っている。
「前半は僕のシュートが入らなくてチームに迷惑をかけた」