「スター八村塁が不在の日本は存在感を欠いた」バスケW杯開幕戦で日本が格上ドイツに完敗…独メディアは酷評
前出の『SPIEGEL ONLINE』はさらにこう続けた。
「大きな期待を背負ってアジアで開催されるW杯に臨んだドイツ代表チームは、開幕戦でその強さを証明した。直近の2度のW杯でグループリーグ敗退を喫したドイツは完璧なスタートを切り、日曜日の豪州戦に勝利すれば2次ラウンド進出が決まる可能性もある。対照的にスタープレイヤーの八村塁が不在日本は、バスケットの下で存在感を欠いた」
大黒柱の期待がかかった八村は6月下旬、今大会の欠場を電撃発表して周囲を驚かせた。日本バスケットボール協会は「NBAの来シーズンの契約、コンディショニングなどの課題を総合的に勘案した本人の意向を受け入れた」と欠場理由を説明していた。
息つく間もなく次の試合がやってくる。
グループEのもう1試合は、FIBAランキング3位で東京五輪銅メダリストの豪州が、同24位のフィンランドに98-72で快勝した。グループEで上位2位までに入らなければ、16チームが4つのグループに分かれて総当たりのリーグ戦を行う2次ラウンドには進めない。
日本は中1日の27日に、ともに初戦を落としたフィンランドと激突する。勝てば豪州との最終戦に望みをつなぎ、負ければ1次リーグ敗退が極めて濃厚になる。W杯の舞台でヨーロッパ勢に白星なしの11連敗を喫した日本にとって、文字通り生きるか死ぬかの大一番になる。
カギを握るのは、やはり八村の欠場で唯一のNBAプレイヤーになった渡邊となる。東京五輪で女子代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHCのもと、勝利を得るために掲げられた「3ポイントシュートの成功率40%」に達するかどうかも、ドイツ戦で20%にとどまった渡邊の復調次第となる。
故障明けでいきなり臨んだドイツ戦で、30分超にわたってプレーした渡邊は、フラッシュインタビューのなかでこんな言葉も残している。
「後半に勝ち切ろう、という思いで臨みました。ズルズルいってもおかしくなかったですけど、集中力を切らさずに戦った結果だと思っています。もうやるしかない。次、勝てるように頑張ります」
ドイツがペースを落とした影響もあるが、それでも後半のスコアは32-28と上回った。格上相手に巻き返せた戦いぶりを自信に代えて、アジア勢の最上位国が来夏のパリ五輪出場権を得る戦いでもある今回のW杯における背水の陣に臨む。