阪神ミエセスが来季残留へ…対応力と懸命で前向きな姿勢を評価
そして残留の方針が固まったもうひとつの決め手が、野球へ前向きに取り組む姿勢だ。常に全力プレー。本来はレフトでプレーしてきた選手だが、キャンプからチームの空白ポジションがライトだと知ると積極的にライトに入ってノックを受けた。今月24日の移動日には、前日がナイターでベンチ入りしていたにもかかわらず2軍戦の出場を志願して逆転満塁弾を放って存在感をアピールした。
研究熱心で「野球がうまくなりたい」「チームの勝利に貢献したい」という情熱にあふれている。
加えて陽気なドミニカンで性格が明るく、キャンプから“ミエちゃん”との愛称をつけられてチームメイトからも愛されているムードメーカー。本塁打を打った際などの“ギャルピース”は、虎ファンの心をつかみ、ヒーローインタビューでは「ミエちゃんでーす。おおきに。お先でーす」とたどたどしい大阪弁を使って爆笑を誘う。
チームの試合前の恒例の声出しでは、「バモス!」という締めの言葉が定番となっているが、これはスペイン語で、「さあ、行こう!」の意味。ミエセスの応援歌にも使われている言葉だ。
岡田監督も「一生懸命プレーするからチームの雰囲気がよくなる」と、ミエセスの前向きな姿勢を高く評価していた。
球団としてもミエセスがチームに与えている影響力を認めて残留の方針を固めた。すでに非公式ではあるが、ミエセス本人にも球団の意向が伝えられているという。
残り28試合でVマジックは「21」。“アレ”へ向けてのここからの9月戦線がラストスパートとなるが、ミエセスは、右の代打、あるいは、ノイジーに替わるレフトのスタメン候補としての重要なピースである。来季残留の“お墨付き”でミエセスがさらに燃えて大活躍してくれれば万々歳だ。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)