井上尚弥が明かした「Sバンタム級で戦うべき4人」とフェザー級への挑戦…メイウェザーが発言したドーピング疑惑には「なんで?」と怒り?!
プロボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(30、大橋)が1日、都内で9月4日に放映されるWOWOWエキサイトマッチSP「フルトンvs井上尚弥」の番組収録を行い、記者取材に対応し、スーパーバンタム級で戦うべき4人の名前をあげて「2、3年先に」に5階級制覇となるフェザー級に挑戦する考えを表明した。次なるビッグファイトは今年12月に国内で予定されているWBAスーパー&IBF世界同級王者のマーロン・タパレス(31、フィリピン)との4団体統一戦だ。
「タパレスはフルトンより怖いかも」
世界を震撼させた、あの7.25、有明アリーナのスティーブン・フルトン戦(29、米国)から約1か月が経過した。9月4日午後9時から放映されるWOWOWエキサイトマッチSPの番組収録で8ラウンドにフィニッシュした映像を見て自らの試合を解説した井上は、「もう1か月経つのか。早いな。今日見たのは過去の映像。もう次へ向けて進んでいる」と現在の心境を明かした。
そして「スーパーバンタム級で戦うべき4人」の名前を挙げた。
WBAスーパー&IBF王者のタパレス、挑発を繰り返してきた“問題児”の元3階級制覇王者のジョンリル・カシメロ(33、フィリピン)、元2階級制覇王者でWBCの指名挑戦権を持つ“悪童”ルイス・ネリ(28、メキシコ)、そしてタパレスに敗れて王座陥落したもののWBAの指名挑戦者決定戦への出場を指令されている前2団体統一王者、ムロジョン・アフマダリエフ(28、ウズベキスタン)の4人だ。
井上が自ら「対戦候補はこの4人」と断言したのは初めて。次なるターゲットは、4団体統一戦となるタパレスで12月に国内開催で「交渉がスタートしている」という。フルトン戦後にはリング上に迎え入れて互いに対戦を誓った。
その時点では「映像もちゃんと見たことがない」としていたが、つい先日、2年前の12月に米国でIBFの同級挑戦者決定戦として勅使河原弘晶(三迫)を2ラウンドに右フックでキャンバスに葬った試合をチェックしたという。
これまで抱いていたタパレスの印象が一変した。
「ゴリゴリのファイターと思っていたが、全然違いますよね。結構、柔軟性のある動きをすると思った。上半身の使い方がうまい。タパレスの出方次第だろうけどディフェンス面がいいなと思ったので、もしかしたらフルトンより怖いかも。一発のパワーもあるしね」
タパレスは40戦37勝(19KO)3敗の好戦的なサウスポー。今年4月に大方の予想を裏切ってアマ経験豊富なアフマダリエフに2-1判定で勝利して2つのベルトを手にした。WBOバンタム級王者前後の時代には、大森将平と2度戦い連勝(一度は体重超過)、2019年には岩佐亮佑とのIBF世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦で11回TKO負けを喫し、2021年には同挑戦者決定戦で、勅使河原弘晶に2回TKO勝利するなど、日本人ボクサーとの対戦が5度あり、日本のファンにも馴染みが深い名前。ただフルトンのように上背はなく、井上にとっては組みやすい相手とされていた。だが、井上の見立ての通り、左ストレートを強引に振り回してくるだけの粗いファイターに見えて、スウェーなどのディフェンステクニックを駆使して上半身を巧みに動かし簡単に被弾しないという一面を持つ。
すでに井上は担当の太田光亮トレーナーとのミット打ちではタパレスをイメージしているという。
「12ラウンドをどう戦うかは、ここから。まあ(ファイターでも柔軟性のあるボクサーでも)どっちでもいいんですが(笑)試合は楽しみ。思ったよりいいボクサーと感じたんで」