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NBAプレーヤーの渡邊雄太も感涙(©FIBA)
NBAプレーヤーの渡邊雄太も感涙(©FIBA)

中国メディアがバスケW杯でパリ五輪決めた日本を「アジア最強を争う警戒すべき存在」と注視

 バスケットボール男子のW杯順位決定ラウンド最終戦が2日に行われ、グループOの日本代表は沖縄アリーナでカーボベルデ代表を80-71で撃破。アジア勢の最上位を確定させ、来夏のパリ五輪出場権を獲得した。一時は20点のリードを奪った日本は、最終クオーターに猛追されながら粘り強いディフェンスで逃げ切った。1976年のモントリオール大会以来、48年ぶりに自力で五輪出場権を獲得した快挙に、アジア1位の可能性を残していた中国のメディアは「アジア最強の座を争う強力なライバルになる」と急成長中の日本を称賛した。

 NBAプレーヤーの渡邊雄太は右足首痛を抱えてフル出場

 

パリ五輪を決めた全メンバーで歓喜の記念写真(©FIBA)

 

 試合時間はまだ残っていた。それでもコート上でジョシュ・ホーキンソン(28、渋谷)は両腕を沖縄アリーナの天井へ突き上げて雄叫びをあげ、今大会の日本でただ一人のNBAプレーヤー、渡邊雄太(28、サンズ)はユニフォームで顔を覆って涙した。
 リードは9点。ボールはポイントガードの河村勇輝(22、横浜)がキープしている。スタンドを埋めたファンのほとんども総立ちになっている。来夏のパリ五輪出場権獲得決定を誰もが待ちきれなかった。
 興奮の余韻が残るコート上で行われたフラッシュインタビュー。パリ五輪出場を逃せば代表を引退する、と開幕前に公言していた渡邊の声が不意に途切れた。
「あんなことを言った手前、正直、不安もめちゃくちゃありましたし、もしかしたら本当に最後になるんじゃないかと。本当にみんなが、しんどいときに……」
 再び涙が込み上げてきた。大会前に捻挫した右足首を押して、ホーキンソンとともに40分間フル出場した大黒柱は「すみません」と必死に言葉を紡いだ。
「……本当に頑張ってくれたので。みんなのおかげです」
 今大会の結果をもって、アジア勢が獲得するパリ五輪切符はわずか1枚。日本がカーボベルデに勝てば無条件でアジア1位が確定。1976年のモントリオール大会以来、実に48年ぶりに自力での五輪出場権を手にする一方で、大敗すれば中国、フィリピン、ヨルダン、レバノンが日本を上回る可能性がわずかながら残されていた。
 そのなかでもW杯と五輪でともに8位に入った実績を持つ中国のメディアは、フィリピンとの最終戦より1時間早く開始される日本戦の経過を報じている。もっとも、ポータルサイトの『捜狐』が「残されているのは理論上の可能性のみ」と順位決定ラウンド最終戦前に報じたように、ファンを含めた大半が実質的な“白旗”をあげている状態だった。
 予感は的中する。第2クオーターを33-18で制した日本は後半も快調に得点を重ね、第3クオーターの残り2分24秒でリードを20点に広げた。6本連続で3ポイントシュートを成功させ、最終的に驚異の成功率75%(8本中で6本)をマークした富永啓生(22、ネブラスカ大)にけん引された日本の攻撃を、前出の『捜狐』は次のように報じている。
「第2クオーターの富永は3ポイントラインの外側から何度も決めた正確無比なシュートを介して、チーム全体の攻撃のリズムを活性化させた。33-18とこの試合における最初のクライマックスを作った日本は、後半に入っても帰化選手のホーキンソンが攻守両面で安定したプレーを見せ、富永のシュート成功率も引き続き超高確率をマーク。河村もうまくゲームを作った結果、第3クオーターを終えた段階でカーボベルデを完全に制圧した」
 しかし、最終クオーターに入って流れが一変した。

 

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