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西武の山川穂高に無期限出場停止処分が下された
西武の山川穂高に無期限出場停止処分が下された

「社会的制裁は受けた。無償トレードではなく来季開幕で西武の打席に立たせてやるべき」西武の元大物監督は山川穂高の無期限出場停止処分を支持して来季解除を提言

 今回の処分に対してネットやSNS上では様々な意見が飛び交った。
「妥当な処分」「西武の対応を支持する」という声がある一方で「曖昧な決定。無期限ということは明日解除される可能性もある」「引退すべきだった」などの厳しい見方もあった。
 また今後の去就を巡り、「無償トレード」というワードがSNSのトレンド入りした。2021年に同僚への暴力行為で当時所属していた日ハムから無期限出場停止処分を受けていた中田翔が9日後に巨人へ無償トレードされ、無期限出場停止処分は日ハムが下したもので巨人は関係ないという意味不明の判断で、すぐさま試合出場した例もあり、オフに山川が、他球団に無償トレードされ、来季は違うユニホームでプレーするのではないか、との憶測だ。
 西武で監督を務めたこともある球団OBで球界大御所の広岡氏は、まず今回の処分に関しては、「昔からプロ野球界において女性問題はあったが、もう“すみません”では済まない時代にはなっている。彼は、過ち、間違ったことをしたという事実を胸に刻み、反省しなければならない。ただすでに社会的に制裁は受けている。事実上、謹慎処分を受けていたのと同じ。私は、彼の類まれなる才能は、プロ野球界にとってなくてはならないものだと考えていた。解雇、追放ではなく、復帰への可能性を残した無期限出場停止処分に留めたことは妥当だろう」と、球団の処分を支持した。
 だが、一方で「球団の責任も大きい。選手への教育、管理が行き届いていないから、こういうことになる。家族のある山川が、不貞行為をしたことは、プロ野球人である前に一人の人間としてのモラルに欠けていたということ。まず球団も二度とチームでこういう問題が起きないように管理、啓蒙の体制を見直し、反省すべきだろう」と苦言を呈した。
 そして今後の去就に関しては、こんな提言をした。
「繰り返すが、すでに彼は社会的制裁を受けて禊は済んだと思う。このオフに球団が彼を来季も残すのか、あるいは、他のチームへトレードするのか、どういう判断を下すのかは、わからない。だが、チームに残すのであれば、来季の開幕には無期限の出場停止処分を解除して1軍のグラウンドに立たせてやるべきだ。これだけの素材を眠らせておくのはプロ野球界にとって損失。自業自得とはいえ、山川の人生もある。今季の西武が弱体化した理由のひとつに4番不在、つまり山川の不在が大きく響いたと思う。西武でやり直して活躍することが、ファンに失態を許してもらい納得してもらう一番の禊になるのではないか」
 広岡氏が指摘するように現在、西武は5位の日ハムと0.5ゲーム差で最下位。チーム本塁打数の74本はリーグワーストで、昨年41本打った山川の本塁打数ゼロがもろに響いている。ただ山川が西武に残留して出場停止処分が解除された場合、国内FA権を得ることとなり、来年オフにはチームを去る可能性がある。それらを考慮した上で西武がどのような判断を下すのか。オフの動向に注目が集まる。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)

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