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ラグビーW杯仏大会が開幕。今日10日に日本代表がチリ代表との初戦を迎える(写真・ロイター/アフロ)
ラグビーW杯仏大会が開幕。今日10日に日本代表がチリ代表との初戦を迎える(写真・ロイター/アフロ)

今日ラグビーW杯仏大会初戦のチリ戦…日本代表は歴史を塗り替え“8強超え”を果たすことができるのか?

 決勝トーナメントに進めるのは、予選各組5チームの上位2チーム。日本代表は予選プールDで、初出場のチリ代表、前回準優勝のイングランド代表(18日/スタッド・ド・ニース)、環太平洋のサモア代表(29日/トゥールーズ)、南半球のダークホースたるアルゼンチン代表(10月8日/スタッド・ド・ラ・ボージョワール)と順にぶつかる。
 2戦目以降には、過去のW杯で8強以上を経験した強豪が並ぶ。
 2003年のオーストラリア大会で優勝しているイングランド代表には、昨秋の対戦時に13―52で大敗した。その時に後手を踏んだ走者とタックラーとの衝突シーン、高い弾道のキックの捕球合戦、8対8で組み合うスクラムの駆け引きを修正することが必須だろう。
 各領域を担当する日本代表の選手も、それを承知している。さらにイングランド代表の今大会初戦に触れれば、その警戒心を高めるのではないか。
 9日、プールD初戦でイングランド代表は戦前の世界ランクで下回っていたアルゼンチン代表に27―10で勝った。前半3分にイエローカードを受けたフランカーのトム・カリーが、反則の再検証を行うバンカーシステムでレッドカードを食らった。試合のほとんどを一人少ないままで戦う危機的状況に陥った。逆にこの状況によりイングランド代表は焦点を定めたのか。球を敵陣の奥へ蹴ることを徹底。アルゼンチン代表がミスを重ねるのに乗じてドロップゴール、ペナルティーゴールで得点を重ねた。無骨な防御も繰り出し、高い弾道のキックもほとんど自軍の側へと引き寄せた。いわば日本代表を苦しめたプレーが研ぎ澄まされた印象だった。最近は体制刷新により苦しむ感があったが、この日は迷いを吹っ切って覚醒したようだった。日本代表は改めてイングランド代表の恐ろしさを整理できたとも言える。

 サモア代表には、今年7月に対戦して22―24で惜敗。前半30分にリーチ マイケルがハイタックルによるレッドカードでいなくなり、苦しみながら掴んだチャンスをミスで逃した。もっとも、キックで大型選手を後退させる策自体は機能させた。再戦時はこのプランを再確認し、かつ基本プレーの遂行力を高めていたいだろう。

 そしてプール最終戦では、戦前にプール首位候補と目されたアルゼンチン代表とぶつかる。ここでは反則を犯さず、相手の反則を誘う展開に持ち込めるかが勝敗の鍵を握る。アルゼンチン代表は強烈なタックルと多彩なパスワークを兼備も、日によっては反則を重ねがちだからだ。
 ちなみに日本代表の対アルゼンチン代表の対戦成績は1勝5敗だ。最後に戦ったのは2016年11月5日。東京・秩父宮ラグビー場で20―54と黒星を喫した。これは、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ率いる現体制にとって最初のゲームだった。今大会限りで辞任するジョセフにとって、このアルゼンチン代表戦は、日本代表をいかに進歩させたかを示す一戦にもなるだろう。

 

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