今日ラグビーW杯仏大会初戦のチリ戦…日本代表は歴史を塗り替え“8強超え”を果たすことができるのか?
予選プールは勝敗ではなく勝ち点で順位が決まるが、3勝が決勝トーナメント進出の当確ライン。2015年のイングランド大会で3勝した日本代表が決勝トーナメント進出を逃した例はあるが、後にも先にも一度だけ。チリ代表、イングランド代表、サモア代表に3連勝してアルゼンチン代表戦を迎えるのが理想のシナリオだろう。
その可能性はある。
日本代表は国内での強化試合を1勝5敗と負け越しているが、攻めの連動性、タックルの強度には進歩の跡が見られる。スコアボード上の数字にとらわれて自分たちの進むべき道を見失っていないのであれば、前大会同様、もしくはそれ以上の結果を出すための最低条件は揃っているのではないか。
ただ、そう簡単に事が運ばないのがW杯。
ヘッドコーチのジョセフは「そこまで先のことは考えていない」と言う。まずは、格下と見られるチリ代表との初戦のみを視界に捉えている。
9月9日。からっとした空気と強い日差しに包まれた試合会場で前日練習を実施した。公開を義務付けられた冒頭15分をストレッチ、走り込みに費やし、その後、より本格的に動いた。
ロックのリザーブに入ったワーナー・ディアンズは、今回が初めてのW杯となる。汗を流した後に会見へ出て、チリ代表の特徴と対策について語った。
「チリは国も、ラグビーチームも、パッションがある。すごくタフな、フィジカルな試合になると思います。相手は 80 分間、ずっと戦ってくると思う。それに対して、自分たちもちゃんと(身体を)当てにいかないと」
隣に座っていたのは、21歳のディアンズより12歳年上の稲垣。後輩の見立てに「(必要なことは)全部、言ってくれましたね」と頷き、こう続けた。
「相手どうこうではなくて、自分たちがどういうラグビーをしたくて、それをどうぶつけるかが全てだと思っています」
これと似た見解を示したのは、アシスタントコーチのトニー・ブラウンだ。
相手の脅威に挑むことと、自分たちの目指すラグビーの完遂を地続きで考える。それは複数名が連動する攻め、鋭い出足の防御を指す。ブラウンは言う。
「今回は、攻守両面での遂行力を確かめることにフォーカスします。(相手には)危険な選手が何名かいる。守備で彼らをシャットダウンしなければならないでしょう。 そして、多くのチャンスを作り出すつもりです。それらのチャンスを決めきり、満足のいく試合がしたい」