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4大会連続出場のリーチ マイケルも快勝したチリ代表戦でトライを決めた(写真:志賀由佳/アフロ)
4大会連続出場のリーチ マイケルも快勝したチリ代表戦でトライを決めた(写真:志賀由佳/アフロ)

「ポジティブな試合になった」ラグビーW杯初戦のチリ戦で42-12快勝スタートを切った日本が得たボーナスポイント以上の収穫とは?

 ナンバーエイトのコーネルセンは、両軍最多となる19タックルを成功させた。4位タイの12タックルを決めたのは、フランカーの下川甲嗣だ。候補選手から正代表へ昇格したこの人は、初めてのW杯を身体いっぱいに楽しんでいた。
「気合い、入っていました。(防御で)速くセットして前に出てプレッシャーをかけるのは自分の役割でした。初戦に向け、練習の時から緊張感はありました。会場のなかも、外も盛り上がりがあり、特にチリの情熱的なサポーターの方が多かった。(互いにかけ合う声の)ボリュームを大きくしないと、聞こえなかった。これがW杯なんだ、W杯は凄いなと思いました」
 連係不足から接点の周りをえぐられるシーンこそあったが、それも最近になって防御システムに微修正を加えたから。次戦以降へ貴重な収穫を得たと言える。
 組織としてパニックにならずに戦い切れた。それは中村の言う通り、「緊張があることを予想できた」からだろう。
 ミスが起きた後の立ち振る舞いについて、攻守で渋く光った中村は、こう補足した。
「(立ち返る場所は)シンプルなことです。アタックであればボール保持者、ブレイクダウン(接点)の質(にこだわる)。ディフェンスであれば、今回やろうと思っていたシステムをやり切ること」
 次戦は日本時間18日、スタッド・ド・ニースでのイングランド代表戦。昨秋の対戦時は13―52と大敗した相手である。昨今は不振にあえぐも、今大会では9日の初戦で強豪アルゼンチン代表に27―10で快勝。フランカーのトム・カリーがレッドカードを喫する厳しい状況下、ロングキック、ドロップゴールを軸にした試合運びで白星を掴んだ。
 決勝トーナメントに進出するための重要な一戦。日本代表にとっては、前回対戦時に苦しんだスクラム、空中戦、何より身体衝突のエリアでの進歩をまずは示さなくてはならない。それが勝利の必須項目となるだろう。
 中村は、イングランド戦へ向けて、こう続けた。
「相手が変わるだけで、僕らはあまり変わらないです。質を、高めたいです」
 自分たちのやろうとしているラグビーを信じているのだと強調していた。
(文責・向風見也/ラグビーライター)

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