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親善試合で日本に1-4大敗したドイツのフリック監督が電撃解任された(写真・アフロ)
親善試合で日本に1-4大敗したドイツのフリック監督が電撃解任された(写真・アフロ)

「日本に恥をかかされた」1-4完敗が引き金?!ドイツがフリック監督を電撃解任…後任候補にナーゲルスマンやグラスナーの名前も

 ドイツサッカー協会(DFB)は10日、ドイツ代表のハンジ・フリック監督(58)を電撃解任したと発表した。9日の国際親善試合で森保ジャパンに喫した1-4の屈辱的な惨敗が引き金になった。直近の5試合で、1分け4敗と泥沼にあえぐ危機的状況で、自国開催の来夏のユーロ2024へ向けて体制刷新が急務と判断された。12日のフランス代表戦は、DFBのルディ・フェラー・スポーツディレクター(63)ら3人が共同で暫定指揮を執る。

 「この決断は避けられなかった」

 

 森保ジャパンの圧勝が、ドイツ代表監督解任の引き金をひいた。
 ホームとなるヴォルフスブルクのフォルクスワーゲン・アレナで、グループステージ初戦で敗れたカタールW杯のリベンジを期した日本との国際親善試合で1-4と大敗。屈辱的な返り討ちにあってから一夜明けて、DFBがフリック監督の電撃解任に踏み切った。
 フリック氏は10日の公開練習の指揮も執り、終了後にはファン・サポーターのサインにも応じていた。複数のドイツメディアが「私は戦い続ける」と同氏の前向きなコメントを報じたなかで、DFBは急きょ開催した株主総会と監査役会で解任を決めた。
 Breaking News(臨時ニュース)のテロップとともに、各メディアがフリック氏の解任を一斉に報じたのは現地時間10日夕方。DFBのベルント・ノイエンドルフ会長(62)は、公式HP上で「この決断は避けられなかった」と解任に踏み切った理由を説明した。
「最近の不本意な結果を受けて、ドイツ男子代表チームには新たな刺激が必要だという認識で一致した。自国開催のユーロ2024を視野に入れた、ポジティブな精神と自信が必要だった。私個人としては、これまでの在任中で最も難しい決断のひとつだった。なぜならば、私はハンジ・フリックと彼のコーチ陣をサッカー専門家として、また人間として高く評価しているからだ。しかし、DFBにとってスポーツの成功は最優先事項だった」
 バイエルン・ミュンヘンを率いた2019-20シーズンにブンデスリーガ、DFBポカール、UEFAチャンピオンズリーグの三冠を獲得した手腕を見込まれたフリック氏は2021年7月に15年間もの長期政権を築いたヨアヒム・レーヴ氏(63)の後任としてドイツ代表監督に就任。初陣から8連勝を飾るなど大きな期待を集めたが、昨年から失速が目立ち始めた。
 勝負のカタールW杯では、グループステージ初戦で日本にまさかの金星を献上。最終的に1勝1分け1敗の勝ち点4でスペイン代表と並ぶも得失点差で大きく後塵を拝し、2018年のロシア大会に続いてグループステージ敗退を喫した。
W杯後にもフリック氏の進退が問われたが、ノイエンドルフ会長が支持する形で続投が決まっていた。しかし、3月に行われた国際Aマッチシリーズでは、ペルー代表戦こそ2-0で勝利したものの、続くベルギー代表戦には2-3で敗れた。
 3試合が行われた6月シリーズでは、ウクライナ代表と3-3で引き分けた後に、ポーランド代表に0-1で、コロンビア代表には0-2で連敗。DFBが招待した日本にも敗れ、1985年以来、実に38年ぶりの国際Aマッチ3連敗という屈辱を味わわされた。
 しかも、日本戦は内容でも圧倒された。
 日本の素早い攻撃に守備陣がパニックに陥り、攻めては日本の組織的な守備を崩せない。ドイツメディアの採点は最高評価が「1点」で、最低評価が「5点」で記される。そのなかで大衆紙『Bild』はあえて新設した「6点」を3人につけて酷評している。
 不発に終わったFWカイ・ハフェルツ(24、アーセナル)と日本の右サイドバック、菅原由勢(23、AZ)に翻弄され続けた左サイドバックのニコ・シュロッターベック(23、ボルシア・ドルトムント)、そしてフリック前監督が「6」の対象になった。

 

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